応用統計学
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2 巻, 3 号
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  • パス・アナリシスを中心に
    原 純輔, 安田 三郎
    1972 年 2 巻 3 号 p. 119-136
    発行日: 1973/10/20
    公開日: 2009/12/02
    ジャーナル フリー
    社会学の学問的性格と,社会学的データの諸特徴のゆえに,一方において社会学における統計的方法の応用には自ら限界があるとともに,他方において社会学独自の諸方法も開発されるようになった.
    社会学データの源泉が主として社会調査に限定されるため,非実験データからの因果推論法としてパス・アナリシスが発達した.計量困難という特徴からは,一方で社会測定の諸方法が案出されるとともに,他方で属性の多変量解析法が考案された.データが個人と社会の2水準にまたがる点,からは,エコロジカル相関や構造効果の問題が出てくる.
    それらの諸展開のうち,本稿の後半ではパス・アナリシスをやや詳しく紹介する.それは重回帰分析の一種とみなしうる統計解析の一手法であるが,標準化された変数による連立方程式の逐次的システムを考えることにより,諸要因間の因果関係の強さを解明することができる.序数型データやパネル調査データへの適用も紹介する.
    3,4節は原が,残りを安田が執筆し,全体の調整は共同して行なった.
  • 小林 康幸
    1972 年 2 巻 3 号 p. 137-142
    発行日: 1973/10/20
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    仮説検定問題において,単純帰無仮説対単純対立仮説を検定する場合はNeyman-Pearsonのlemmaにより,最強力検定は常に存在する.しかし単純帰無仮説対複合対立仮説の場合には一般には一様最強力検定は存在せず,存在するための十分条件はその分布族が単純尤度比をもつことである,といったことはよく知られた事実である.
    ここでは単純帰無仮説対複合対立仮説の検定問題において,観測個数が2以上の時,あるα0以下の任意のαを水準とする一様最強力検定が存在するための必要十分条件は,その分布がある区間で指数型であることを示す.さらに観測個数が確率変数である時,上と同様の検定問題で一様最強力検定が存在するための必要十分条件も,その分布の型で与える.
  • 宮本 良雄, 目黒 俊彦, 向井 喬, 新井 宏忠
    1972 年 2 巻 3 号 p. 143-154
    発行日: 1973/10/20
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    3つのPoisson-分布が混合しているときそれぞれのパラメータλ123と,その混合比π123を,モーメント法を用いて推定する方法について述べる.またその推定法を用いたときの,推定量の漸近的分散・共分散を求めた.
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