応用統計学
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20 巻, 2 号
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  • 篠崎 信雄
    1991 年 20 巻 2 号 p. 59-76
    発行日: 1991/12/20
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    多くの母平均を同時に推定するとき,平均2乗誤差の和を基準にすれば,Stein推定量が通常の推定量を改良することはよく知られている.ここでは,Stein推定量をさまざまな現実の問題に応用するために考えられてきたSteinタイプの縮小推定量について,その基本的考え方を明らかにし,どのような現実の問題に対して有効であり,どのような問題があるのかを論じる.また,経験的ベイズ推定量,平滑化との関連性をも明らかにし,信頼領域の問題についても触れる.さらに,応用例として都道府県庁所在都市の一世帯当りの平均教育費を推定する問題をとり上げ,回帰直線に向けて縮小する推定量とその有効性を示す.
  • 佐藤 俊哉
    1991 年 20 巻 2 号 p. 77-87
    発行日: 1991/12/20
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    医学研究ではしばしば健康状態を,「順序を持った反応」として取り扱う.結果の順序にしたがったリスク要因への曝露の効果が認められるかどうかは,いわゆる「傾向性の検定」により調べることができる.結果を報告する際には仮説検定の結果だけでは不十分であり,効果の大きさ,さらには効果の信頼区間も報告する必要がある.結果に順序がついている場合の効果の大きさの推定には,順序のついたカテゴリカルデータを解析する一般的な方法である累積オッズモデルなどが用いられる.しかし,そのようなモデルから得られたパラメータに具体的にどのような医学的意味があるのかは明らかでない.
    本論文では「結果に順序がついている場合の曝露の効果」を調べるための新しい効果の指標を提案する.提案する指標はSMRと同じ考え方から,曝露グループで観察された事象の発生数と曝露を受けなかった場合に期待される事象の発生数の比をとったものである.したがってリスク比としての解釈が可能で,計算も簡単である.交絡要因で層別した場合の解析に,提案する指標を拡張する方法についても論ずる.
  • 清水 邦夫, 柳本 武美
    1991 年 20 巻 2 号 p. 89-96
    発行日: 1991/12/20
    公開日: 2009/12/02
    ジャーナル フリー
    Yanagimoto(1989)は,二つの起こり得る結果からなる分布Pr(Z=-1/k)=q,Pr(Z=1/k)=p(k>0; 0<qp,p+q=1)のキュムラント母関数の逆関数をキュムラント母関数にもつ分布をもとに逆二項分布IB(k,p)を定義し,それを肺結核の再発データの解析に応用した.本稿では,第1節でIB(k,p)の簡単な説明とともにYanagimoto(1989)の補完としてIB(k,p)のキュムラントおよび下降階乗モーメントの有限級数表現を導き,第2節でIB(k,p)の一つの一般化を与える.導出される分布は逆三項分布と呼ぼれ,IT(k,α,β,γ)と表される。呼び名の由来はIT(k,α,β,γ)が三つの起こり得る結果からなる分布Pr(Z=-1/k)=γ,Pr(Z=0)=β,Pr(Z=1/k)=α(k>0; 0<γ≦α,β>0,α+β+γ=1)のキュムラント母関数の逆関数をキュムラント母関数にもつ分布に関係するからである.第2節ではIT(k,α,β,γ)の3次までの下降階乗モーメントも与える。
  • 柳本 武美
    1991 年 20 巻 2 号 p. 97-108
    発行日: 1991/12/20
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
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