シリコンウエハ上の良チップと不良チップの配置のような格子上2値データに対する空間統計量として,Taam and Hamada (1993) は対数オッズ比統計量を提案し要因解析に応用した.本論文では,隣接構造と結合数統計量という見地からこの種の統計量を一般化し,それらのランダム配置のもとでの漸近分散を統一的に導いた.次に区画の状態が2値でなく3値で観察される場合へ対数オッズ比統計量を拡張し,その漸近分散を求めた.さらに,小標本での分散を数値実験にて評価し,漸近分散の近似精度がよいことを確認した.最後に,これらの統計量を鋳造部品の空間比重データに適用した.
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