応用統計学
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28 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 華山 宣胤
    1999 年 28 巻 1 号 p. 1-20
    発行日: 1999/07/10
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    長期に亘って年齢階級別に観測された社会調査データから,時代環境と年齢の影響を抽出するためのモデル,Age-environment Model (AEモデル)を提案する.同様のデータの解析にAge-period-cohort(APC)モデルが用いられるが,AEモデルはAPCモデルの時代効果とコホート効果に特殊な構造を仮定したものであることが示される.また,最低影響年齢の概念を導入したAEモデルが提案され,それを「女子労働力率」データの解析に当てはめた結果から,AEモデルは,Age-period ModelやAge-cohort ModelよりAICの値が小さく,優れたモデルであることが示される.さらに,「10歳以降で体験する時代環境が20歳以降の就労の意思に影響を及ぼす」ことが同データの解析結果から推測される.
  • 竹澤 邦夫
    1999 年 28 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 1999/07/10
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    樹形モデルの最適化のために用いられているStandard Error ルール(SEルール)を重回帰式における予測変数の選択に利用する可能性について検討した.その結果,シミュレーションデータを用いた重回帰式の予測変数の選択において,SEルールを併用したクロスバリデーションが単純なクロスバリデーションによる結果を大幅に改善する効果を持つことが分かった.
  • 宇根 尚秀, 鈴木 知道, 飯塚 悦功
    1999 年 28 巻 1 号 p. 27-37
    発行日: 1999/07/10
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    重回帰分析において統計的に逐次説明変数選択を行なう手法に変数増加法と変数減少法がある.この2つの手法を用いて同一データを解析した際,手順の対称性から変数増加法で回帰式に取り込む説明変数の順序と,変数減少法で回帰式から取り除く説明変数の順序は対称的になることが予想される.しかし実際には選択の順序は対称的になるとは限らない.この事象は説明変数間に相関関係があるためであると言われているが,数学的に明快に説明されているわけではない.
    選択される変数の順序は変数間の相関係数により決定される.本報では相関係数の値と変数選択順序の関係の有効な幾何的表現法を提案し,上記の事象は相関係数がどのような値の組み合わせになっているときに起こるのかを幾何的に解釈した.さらにその幾何的解釈から「一般に統計的に逐次説明変数選択を行なう際,説明変数選択の順序は,説明変数間の相関を固定したとき,目的変数と説明変数の相関係数同士の比により一意に決定される.」という定理を導いた.
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