応用統計学
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31 巻, 3 号
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  • Victor De Oliveira, Konstantinos Fokianos, Benjamin Kedem
    2002 年 31 巻 3 号 p. 175-187
    発行日: 2002/03/25
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    We provide a review of the Bayesian transformed Gaussian random field model which can be used for the analysis of continuous geostatistical data that display non-Gaussian features. We describe the formulation of the model and its main properties, as well as Bayesian inference and prediction using Monte Carlo methods. The publicly available software btg for the implementation of the model is illustrated by means of spatial and temporal data.
  • 大門 貴志, 後藤 昌司
    2002 年 31 巻 3 号 p. 189-225
    発行日: 2002/03/25
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    薬動学では,薬物を生体に投与したとき,生体内における薬物の経時的な動態を予測・追跡するための有用な接近の道具として,コンパートメント・モデルが用いられている.本稿では,このコンパートメント・モデルの統計的推測における妥当性の診断方式を考察した.この診断の道具として相対曲率測度をとりあげ,文献事例での適用および数値検証を通してその診断用途への適切性を検討した.文献事例の検討では,諸種のデータにこの相対曲率測度を適用し,コンパートメント・モデルに潜む非線形性の程度を評価した.そこでは,血中薬物濃度データの統計モデルの仮定からの逸脱,とくに誤差の不等分散性がこの相対曲率測度に及ぼす影響を吟味した.このとき,この仮定からの逸脱を改善し,この逸脱を定量的に評価することを意図してベキ変換接近法を適用し,この接近法に依拠する相対曲率測度を提示した.結果として,ベキ変換接近法は,血中薬物濃度の不等分散性とその分布の歪みを改善し,モデルのパラメータに依拠する非線形性を緩和することが示唆された.さらに,ベキ変換接近法に依拠する相対曲率測度に付随する諸種の診断測度を利用して,誤差の仮定からの逸脱に影響されることなくコンパートメント・モデルの特性を適切に把握することができた.数値検証では,血中薬物濃度データが不等分散性を有する場面を想定し,血中薬物濃度の観測値の個数,そのバラツキの大きさ,標本抽出形式を因子としてとりあげ,相対曲率測度に及ぼすそれらの影響を評価した.その結果,ベキ変換接近法に対するパラメータ効果曲率は,誤差の不等分散性の影響を受けないことが示された.相対曲率測度は,薬動学におけるコンパートメント・モデルの推測に対する診断の有用な手段を提供するといえる.
  • 東京都23区の給水量予測問題への適用
    浅野 美代子, 椿 広計
    2002 年 31 巻 3 号 p. 227-238
    発行日: 2002/03/25
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    本論文では,ニューラルネットワークと線形回帰分析とのハイブリッド解析法を提案する.このハイブリッド解析法は,ニューラルネットワークと線形回帰分析を相補的に利用し,それぞれの良い点,すなわち「予測精度」と「解釈可能性」の両面を有するものとして構想された.
    提案するニューラルネットワークと線形回帰分析とのハイブリッド解析は,3層フィードフォワード型ニューラルネットワークを回帰分析として用いた解析結果である中間層ユニット出力値を,線形回帰分析の説明変数として加えて,再度モデル選択を伴う線形回帰分析を行うことである.ここで,中間層の出力関数にシグモイド関数を用いた.
    提案する手法の特徴と有効性を明らかにするために,東京都23区の給水量予測問題への適応を報告する.解析の結果,変数の特徴がいくつか明らかになった.目的変数である給水量の中に未確定の成分の構造変化があり,それを著者は漏水部分であると考えている.すなわちこの構造変化は,給水量の測定が不整備のために,1985年以前は測定することができなかった漏水量と考えられる.この成分を調整すると線形回帰モデルの適合が向上するのみならず回帰係数の符号条件も整合的になり解釈可能性も明らかに向上した.この結果は,提案したニューラルネットワークと線形回帰分析とのハイブリッド解析法が有効であることを示している.
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