応用統計学
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35 巻, 3 号
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  • 久保川 達也
    2006 年35 巻3 号 p. 139-161
    発行日: 2007/03/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    標本調査では,調査区全体からデータがとられ全体の母集団特性が調べられる.同じデータを用いて市町村レベルの母集団特性を求めようとすると,市町村によっては取られたデータが少ないため標本平均などの推定値は推定誤差が大きくなってしまうという問題が生ずる.これを小地域問題といい,注目している地域(市町村)の周辺地域からデータを上手に取り込むことによって推定精度を高めることができる.そのための代表的なモデルが線形混合モデルであり,そこから導かれる経験最良線形予測量が小地域問題を解決する手法になっている.本稿では,線形混合モデルを利用した小地域推定について解説する.特に,線形混合モデルのもつ(共通母数)+(変量効果)という構造が推定精度を高めるためにどのように働くのかについて説明し,実際どの程度誤差が抑えられているのかに関して平均2乗誤差の推定と信頼区間の構成についてまとめる.最後に,空間データ等を分析するための様々なモデリングの方法を紹介し,一般化線形混合モデルと死亡率推定への応用についても説明する.
  • 杉本 将人, 間瀬 茂, 坂口 隆之, 鈴木 誠, 本多 眞
    2006 年35 巻3 号 p. 163-177
    発行日: 2007/03/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    地層構造を調査する際に利用される比抵抗値データは,ボーリング,地上電磁波,空中電磁波という3種類の異なる方法により観測される.ボーリングデータは最も精度が良いが,経費と手間の観点から調査箇所は限られる.一方,地上電磁波,空中電磁波によるデータは,精度はボーリングデータに比べて必ずしも良くないが,広範囲に採取できる.このように,同一の事象を,精度と観測範囲の異なる幾つかの方法により観測したとき,それらの観測領域間に包含関係が成り立つ場合,階層構造を持つデータと呼ぶ.本稿では,階層構造を持つデータを用いて,そのなかでボーリングデータのような精度は最も良いが標本数がごくわずかであるデータの大域的な分布を予測するため地球統計学的なモデルとクリギング予測量を提案する.また,数値実験により既存手法との比較を行い,提案手法が優れた性質を持つことを検証する.
  • 棚瀬 貴紀, 松田 眞一
    2006 年35 巻3 号 p. 179-194
    発行日: 2007/03/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    一般に使われている分割表の独立性の検定にはPearsonのX2検定やFisherの正確確率検定があるが,これらは縦と横の2つの要因に関連があるかどうかを調べるに留まっている.それらの検定で棄却された場合にさらにどのカテゴリー間に関連があるかまで調べるには,多重比較の概念が必要となる.本論文では,既存の方法として多重比較を行わない方の要因に傾向のある対立仮説を仮定する廣津(1992)のScheffé法とTukey法,およびそのような仮定のない松田(2004)の閉検定手順をとりあげる.その上で傾向のある対立仮説を仮定した新しい方法を提案し,既存の方法との優劣をシミュレーションによる検出力評価で明らかにする.その結果,傾向のある対立仮説には今回提案する方法,傾向のない対立仮説には松田(2004)の閉検定手順がよいことが分かった.
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