応用統計学
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42 巻, 2 号
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研究論文
  • 王 敏真, 清水 邦夫, 上江洲 香実
    原稿種別: 研究論文
    2013 年42 巻2 号 p. 29-44
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/12/16
    ジャーナル オープンアクセス
    東北地方太平洋沖地震およびそれ以前72時間の地震の緯度・経度・マグニチュードデータの解析を例に取り,方向統計学の利用について述べる.緯度・経度データから生成される角度データに対して,累積和プロット,累積平均方向プロット,ランク累積和プロットを用いて変化点の検出を試み,検定による変化点の検出と比較する.また,角度データについてJones-Pewsey の分布をフルモデルとし,ハート型,von Mises,巻き込みCauchyの各分布をサブモデルとしたときのモデル選択と分布の適合を議論する.マグニチュードデータについては指数分布を特別な場合として含む分布の利用を提案し,分布の適合を検討する.マグニチュードと角度の結合分布としてシリンダー上の分布について考察し,データへの分布の当てはめを行う.さらに,ディスク上の修正Möbius分布の適用可能性について議論する.
  • 下川 敏雄, 辻 光宏, 後藤 昌司
    原稿種別: 研究論文
    2013 年42 巻2 号 p. 45-63
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/12/16
    ジャーナル オープンアクセス
    がん臨床研究の一つの目標は,背景因子,進行程度,あるいは遺伝子情報などから予後を適切に予測することである.近年,高い予測確度をもつアンサンブル学習法の生存時間研究への拡張が報告されている(Ishwaran et al., 2008; Ridgeway,2007).しかしながら,これらの方法では,推定されたモデルをブラック・ボックス化するため,予後に対する樹木モデル(基本学習器)の影響を提示できない.本論文では,Friedman and Popescu (2008) を生存時間解析に拡張した生存時間ルール・アンサンブル法を提案した.生存時間ルール・アンサンブル法は,ルール(基本学習器)の真偽に対するハザード比をElasticNet 罰則法により推定された回帰パラメータ(ルール重要度)により提示できる.また,基本学習器に修正線形項を加えることができるため,真のモデルが線形構造をもつ場合にも対処できる.生存時間ルール・アンサンブル法の適用は,文献事例により評価した.性能の評価は,数値検証を通して,既存の生存時間アンサンブル法(生存時間RandomForest法,一般化Boosting法,生存時間Bagging法)と比較した.その結果,生存時間ルール・アンサンブル法は,ルール重要度を通してモデルに影響を与える基本学習器を評価できただけでなく,既存の生存時間アンサンブル学習法に比べて予測確度が向上することが確認できた.
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