応用統計学
Online ISSN : 1883-8081
Print ISSN : 0285-0370
ISSN-L : 0285-0370
最新号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
研究論文
  • 石井 晶, 矢田 和善, 青嶋 誠
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 49 巻 3 号 p. 109-125
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/04/08
    ジャーナル 認証あり

    本論文は,高次元データに対する平均ベクトルの2標本検定を考える.高次元統計解析において,高次元共分散行列の固有空間の構造に基づく理論と方法論の構築は,大変に重要である.特に,高次元ノイズ空間が理論と方法論にもたらす弊害は,一般に考えられているよりも深刻であり,それゆえに,高次元統計解析においては,ノイズ空間を如何に扱うかが,統計的推測の精度を保証するための鍵となる.本論文は,単一強スパイク固有値モデルとよばれる,高次元データの典型的なノイズモデルを扱う.2つの母集団における第1固有空間の異質性に着目し,高次元空間の特徴を生かした新たな2標本検定を考える.提案する検定手法について,高次元における第1種の過誤の確率と検出力を導出し,それらの漸近的な性質を論じる.さらに,性能についてシミュレーションによる数値的な検証を行う.最後に,提案手法を用いて遺伝子発現データを解析し,既存手法と比較のもと,手法の使い分けについて述べる.

研究ノート
  • 今井 大樹, 青木 敏
    原稿種別: 研究ノート
    2020 年 49 巻 3 号 p. 127-154
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/04/08
    ジャーナル 認証あり

    複数の多水準因子の一部実施計画上で,繰り返しのない応答が観測されるという状況を考える.この設定において,応答関数を多項式で表現し,その母数の識別可能性を多項式環のグレブナー基底の理論により特徴付けることができる.これは,計算代数統計における古典的な話題のひとつである(Pistone and Wynn (1996)).この方法論では,実験計画法の理論において重要な,因子の交絡の概念を,計画上でゼロとなる多項式の集合(計画イデアル)へのイデアル所属の問題として定式化する.この考え方により,従来,2水準,3水準のレギュラーな一部実施計画について考えられることが多かった,交絡,分解能などの概念を,任意の計画に対する概念として一般化することができる.本稿では,この計算代数的な方法論にもとづき,計画上の分散分析モデル(ANOVAモデル)と多項式モデルの関係を明らかにする.通常ANOVAモデルは,繰り返し数の均一な多元配置の設定で考えることが多く,特に水準がすべて2水準の計画では,ANOVAモデルは多項式モデルと等価である.一方,水準数が一般の設定では,両者の対応は必ずしも明らかではない.本稿では一部実施計画を繰り返し数が不揃いな(ゼロを含む)多元配置と見て,一般的にANOVAモデルを定義する.また,ANOVAモデルと多項式モデルを関連付ける方法を提案し,計算代数統計の理論をANOVAモデルに適用する方法論を提案する.

feedback
Top