半導体工業においては,素子(たとえばICとかLSIなど)の電極と外部端子とを接続させるために,電極の表面に細い金線を熱圧着によって接合させるという作業がよく行なわれる.このような場合に,その接合の強度をはかる目的で金線を引っぱったとすると,接合の強さが金線の強さより小さ.い時には接合がはがれて,目的とする接合の強度がはかれるが,逆に金線の強さが小さい時には,金線の方が切れてしまって接合の強さは測定されない.本報はこのような観測データきりえられない場合に,接合の強さの平均値なり,標準偏差なりを偏りなく推定するための統計的手法を求めたものである.
この方法は一般に破壊の原因が複数個ある場合,そのおのおのの原因による破壊の確率的性質を求める場合への拡張も容易である.
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