応用統計学
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8 巻, 3 号
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  • 竹内 啓
    1979 年 8 巻 3 号 p. 81-95
    発行日: 1980/03/31
    公開日: 2009/12/02
    ジャーナル フリー
    k個の母数Θ1,…,Θkについて,それぞれ独立な測定値Xi,…,Xkがあり,各Xiが平均Θi,分散1の正規分布に従うとき,“自然な”推定量Θi=Xiは平均2乗誤差に関して許容性を持たないこと,すなわちk≧3ならば
    Θi*=(1-K-2/ΣX12)
    とおくと
    r*=ΣE(Θi*i)2<ΣE(Xii)2=k
    であり,かつr*はkよりかなり小さくなり得ることをsteinは証明した.Stein推定量は最初主として理論家の興味をひいたが,しかし実は応用上にも重要な意味を持つもあであることが,次第に理解されつつある.ここではこのような推定量を導く考え方,またr*<kとなることの意味を明らかにするような数学的論理についてのべ,またそのいくつかの拡張について説明する。そうしてそれが特殊な“奇異な”現象と見なすべきものではないことを明らかにする.
    またこのような推定方式の応用に当っての意味づけ,および注意点についてのべる,このような推定方式が,少くとも応用上のいくつの場面では重要な役割を果す可能性があることを示すのがこの論文の目的である.
  • 清水 邦夫, 岩瀬 晃盛, 牛沢 賢二
    1979 年 8 巻 3 号 p. 97-110
    発行日: 1980/03/31
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    対数正規分布の母数のいくつかに対して,一様最小分散(UMV)不偏推定量とその分散は,両方とも超幾何関0F1を用いて簡潔に表現できることを示す.これまで知られている導き方と表現方法はいずれも煩雑であるが,超幾何関数を用いることによってこの煩雑さがかなり解消される.さらに,今迄は分散のUMV不偏推定量の分散は近似的な表現しか与えられていなかったが,これも超幾何関数を用いることによって,正確に表現できることを示す.同様に歪度の2乗と尖度のUMV不偏推定量の分散も正確に表現される.この議論は対数正規線型モデルにも適用可能である,また,いくつかの母数のUMV不偏推定量と最尤推定量およびUMV不偏推定量と分布によらない不偏推定量とを数値的に比較する.
  • 事前情報を考慮したパラメータの逐次近似推定法
    横山 巽子
    1979 年 8 巻 3 号 p. 111-130
    発行日: 1980/03/31
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    観測データから,目的変数の説明変数に対する回帰関係を求める時,関数に含まれる未知パラメータを推定しなければならない.未知パラメータの推定に,パラメータの存在範囲を与えた上で直交表による逐次近似法(以下実験的回帰分析という)を用いる場合,直交表の種類が収束すべき方向の探索に影響を与えるなど,正しい収束値を得るにはいくつかの困難な問題がある.ここでは,探索誤りを減少させるための直交表の選択法などについて検討し,実験的回帰分析のアルゴリズムを示す.回帰式が未知パラメータに関して線形の場合,未知パラメータの推定には最小2乗法が用いられることが多いが,その推定結果の実用上の問題点と実験的回帰分析の有効性を数値実験や実例により示す.この手法は,未知パラメータに関して非線形の場合にも利用できるが,これについてはここでは触れていない.
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