ディップメーター(dipmeter)は坑井において,地層の傾斜と方位,ならびに坑井自体の傾斜とその方位を,電気的な方法を用いて測定する装置である。
現在使用されているディップメーターには2種類あつて,その1つは従来のフォトクリノディップメーター(photoclino-dipmeter,以下フォトクリノ型と呼ぶ)で,他はコンティニアスディップメーター(continuous dipmeterあるいはpoteclino dipmeter,以下連続型と呼ぶ)である。前者は坑井傾斜に関するデータは写真測定により行ない,地層傾斜は測定範囲を区切つて電気的に測定されるのに対し,後者は坑井傾斜関係も地層傾斜と同様に電気的な方法により,測定範囲を連続的に測定を行なうものである。
フォトクリノ型は前述のように測定範囲を区切つて行なうので,坑井の傾斜およびその方位は,測定を行なつた抵抗層の最初と終りのみデータが得られ,その中間は判明しない。また,スポット的にインターバルをおいて測定を行なうため,その途中に急激に地層の傾斜と方位が変る場所,あるいは断層のような場所があつても,見逃す恐れもあつたが,連続型では上記の欠点をよくおぎなつている。また,フォトクリノ型では,記録する面において地層の傾斜と方位を判定する抵抗曲線と,坑井の傾斜およびその方位に関するデータと,1本のフィルムに記録できないのに反し,連続型では,抵抗曲線,坑井に関するデータおよび坑径とすべて一本のフィルムに,しかも連続的に記録され,測定範囲中どの個所でも直ちに解読できる等の特徴がある。
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