科学の学習を援助する場合,第一に,重要で基本的な法則を教えようとすることが肝要である。第二に,言葉の意味も,言葉の操作を支える体験も,「科学者の視点」と「生活者の視点」で分類しなければならない。第三に,子どもたちに求める「言葉の操作」が,言葉の意味を「生活者の意味」から「科学者の意味」に転換し,法則を定立し,法則と事例,例外との関係を成立させ,さらには法則と法則を関係づけるのに適切な内容を持つことを,十分に吟味する必要がある。第四に,授業の冒頭では「生活者の視点に立った体験」を行い,その後「言葉の操作」を導入し,それを「科学者の視点に立った体験」が支え,三者の循環的な相互促進をはかることが大切である。工作法にもとついて複数の教材開発ならびにそれらを用いた授業を行った結果,上記の四条件を充たすことが授業で子どもたちの学習を成功に導く可能性の高いことが,強く示唆された。
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