第四紀研究
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55 巻, 1 号
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論説
  • 鈴木 毅彦, 斎藤 はるか, 笠原 天生, 栗山 悦宏, 今泉 俊文
    2016 年 55 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 2016/02/01
    公開日: 2016/03/15
    ジャーナル フリー
    東北日本弧南部,福島県会津坂下町で得た3本のボーリングコアからテフラを検出し,これらの認定を行い会津盆地中西部地下のテフラ層序を確立した.また放射性炭素年代測定も実施し,それらの結果と合わせて盆地堆積物の年代と堆積速度を求めた.地下約100m以浅の堆積物はシルト・泥炭・砂を主体とし,ところにより礫層やテフラを挟む.認定したテフラは上位からNm-NM(5.4ka),AT(30ka),DKP(55~66ka),Nm-KN,Ag-OK(<85.1ka),TG(129ka),Sn-MT(180~260ka)である.最長コアから得た堆積速度は,地表/DKP間で0.46~0.55m/kyrs, DKP/TG間で0.19~0.23m/kyrsである.
  • 佐藤 善輝, 藤原 治, 小野 映介
    2016 年 55 巻 1 号 p. 17-35
    発行日: 2016/02/01
    公開日: 2016/03/15
    ジャーナル フリー
    浜松平野西部で行った掘削調査,珪藻分析,年代測定,テフラ分析の結果に基づいて,完新世後期の堆積環境変遷を復元し,6列ある浜堤のうち,陸側の浜堤IからIVについて浜堤列の地形発達過程を検討した.各浜堤の形成開始時期は,IからIVの順にそれぞれ8,000~7,000calBP頃,7,000calBP頃, 7,000~4,000calBP頃,4,000calBP頃と考えられる.また,閉塞完了時期は浜堤I~IIIが3,400~3,000calBP頃,浜堤IVが2,000calBP頃と推定される.浜堤の発達に伴って浜堤背後の低地では淡水~汽水域が形成されたが,その後に海水が時折浸入して一時的な塩分上昇が生じた.このことは,浜堤列が一度に形成されたのではなく,拡大と縮小を繰り返しながら複雑な発達過程を経てきたことを示している.
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