第四紀研究
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2020年日本第四紀学会学術賞受賞記念論文
  • 北村 晃寿
    2021 年 60 巻 3 号 p. 47-70
    発行日: 2021/09/01
    公開日: 2021/09/18
    [早期公開] 公開日: 2021/06/11
    ジャーナル 認証あり

    石川県金沢市の下部更新統・大桑層産の貝化石群集と浮遊性有孔虫群集の層位分布を調べた.その結果,①間氷期ごとに対馬海流が日本海に流入するようになったのは酸素同位体ステージ(MIS) 59 (1.7 Ma)であること,②日本海中層 (深度約200 m) は1.46~1.30 Maの間氷期 (MIS 47, 45, 43, 41, 29) が,第四紀の中で最温暖で,その後段階的に寒冷化したこと,③3.5~1.7 Maには対馬海流が少なくとも5度流入したこと,④3.3~2.5 Maの南方海峡はチェジュ島より南西にあり,その標高は現海面に対して少なくとも50 m以上はあったこと,などの日本本島の島嶼化に関する知見を得た.また,北緯65°の7月の平均日射量が520 W/m2以上の間氷期(MIS 47, 43, 31)では,著しい水温の季節差で,本州の日本海沿岸において,貝類の種多様性・個体数の低下が生じたことが分かった.

    2011年の東北地方太平洋沖地震を機に,静岡県内の古津波・古地震研究を開始し,①1854年安政東海地震の津波石を発見し,②1361年正平 (康安) 地震で駿河トラフが破壊された証拠となる隆起貝層を発見し,③1096年永長東海地震により焼津市浜当目低地で海底地すべりが発生したこと,④西暦400年頃に南海トラフ東部から駿河トラフで海溝型地震が起きたこと,⑤過去4千年間の地質記録にレベル2津波の痕跡がないこと,を明らかにした.

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