第四紀研究
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早期公開論文
早期公開論文の5件中1~5を表示しています
  • 趙 哲済, 田村 亨, 藤薮 勝則, 菊井 佳弥, 大木 要, 福佐 美智子, 瀬谷 今日子, 金澤 舞, 辻 康男, 河本 光月, 藤原 ...
    論文ID: 65.2520
    発行日: 2026年
    [早期公開] 公開日: 2026/09/25
    ジャーナル 認証あり 早期公開
    J-STAGE Data

    和歌山平野の海岸砂丘の形成は,紀の川による沖積低地の拡大に強く影響したと考えられるが,海岸砂丘の形成年代はよくわかっていなかった.その年代を探るため,砂丘列や浜堤などから採取した試料のOSL年代を測定し,83の年代値を得た.これにより海岸砂丘が完新世の最高海面期より前から,段階的に前進してきたことが明らかとなった.すなわち,紀の川南岸の主要な3砂丘列は,埋没古土壌を鍵層にして,6.9~4.6 kaの年代を含む下部砂丘砂層,およそ2.5 ka以前に堆積を開始した中部古土壌層および中部砂丘砂層,0.75 ka以降に堆積した上部砂丘砂層の3つに区分される.また,北岸の4砂丘列は,前進型の波浪卓越海岸を構成し,南岸の中部・上部砂丘砂層堆積期に形成された.両岸の砂丘列とも上部砂丘砂層の下部は0.75~0.5 ka間に急速に上方へ成長した.その要因は,冬季モンスーンの強まりに,人為が複合的に関与した結果と考えられる.

  • 今宮 駿介, 宮入 陽介, 常岡 廉, 横山 祐典
    論文ID: 65.2523
    発行日: 2026年
    [早期公開] 公開日: 2026/09/25
    ジャーナル 認証あり 早期公開
    J-STAGE Data

    近年,温暖化や人間活動によるサンゴ礁の劣化が深刻化し,多様なストレス要因に対するサンゴの応答評価の重要性が叫ばれている.しかし,既存研究の多くは急性毒性に注目しており,条件ごとに複数の水槽を長期間維持する必要のある慢性ストレスの評価例は少ない.大型水槽を用いた研究例もあるが,その複数設置はスペースやコスト面で制約がある.本研究では,18個の小型水槽を集約し,飼育環境を一元管理しつつ複数条件での比較が可能な実験系を開発した.ミドリイシ属(Acropora sp.)のサンゴに対して日焼け止め剤の長期曝露飼育実験を行った結果,本系は1ヶ月間の長期飼育を実現した.また,特定成分の投与群では環境ストレスの指標となるFv/Fm値が有意に低下し,慢性ストレスの影響が示唆されるなど,詳細な飼育条件を設定できることを実証した.本手法はサンゴに対する多様な影響を統計的に評価でき,サンゴの環境応答理解のための研究基盤を提供する.

  • 小岩 直人, 鄒 青穎
    論文ID: 65.2506
    発行日: 2026年
    [早期公開] 公開日: 2026/05/12
    ジャーナル フリー 早期公開

    現在において豪雨頻度が低い東北日本北部に位置し,最終氷期に寒冷気候下で地形形成が行われた北上山地中部,および火山麓の段丘面が発達する下北半島北部で近年発生した土砂災害について,第四紀研究の視点から検討を行った.北上山地では,2016年8月の豪雨時には,流域に顕著な崩壊がないような沖積錐上において,高密度洪水流による土砂移動・堆積がみられた.これらは,沖積錐の堆積物から推定される完新世の斜面プロセスとは異なるものであると推定された.下北半島北部の2021年豪雨では,段丘化した火山麓扇状地の段丘崖上部において崩壊が多発した.これは,透水性の異なる地層が重なった火山麓扇状地の堆積物が存在していること,さらに火山麓扇状地末端に分布する急な遷急線が,地中水を地表へ噴き出しやすくしているという,段丘化した火山麓扇状地特有の地形条件に起因するものと考えられる.本稿で示したような地形発達を考慮した豪雨災害の研究の蓄積は,防災・減災に関する重要な資料を提供することにつながると考えられる.

  • 丹羽 雄一
    論文ID: 65.2507
    発行日: 2026年
    [早期公開] 公開日: 2026/02/01
    ジャーナル フリー 早期公開

    東北地方太平洋岸では,10万年スケールの隆起傾向と最近数十~百年間の沈降傾向という,観測期間によって向きの異なる地殻変動が超巨大地震の繰り返しと関連付けて説明されてきた.しかし,更新世海成段丘の分布が不明瞭な地域の存在や,完新世地殻変動データの欠如により,当該海岸における観測記録よりも長期間の地殻変動分布は2011年東北地方太平洋沖地震の発生時点では不明であったとみなし得る.完新世地殻変動に関する2011年以降の研究によれば,東北地方太平洋岸は沈降域(三陸海岸中~南部)とその南北の相対的隆起域(三陸海岸北部,常磐海岸)に区分される.この地殻変動分布がMIS 5.5海成段丘分布と調和的であることから,三陸海岸中~南部で沈降,その南北で相対的隆起,という地殻変動様式は少なくとも最近10万年間継続している可能性が示唆される.日本海溝のすべり特性も踏まえると,沿岸域における最近数千年~10万年間の地殻変動分布は,プレート境界断層のすべり特性の南北方向の違いを反映している可能性が考えられる.

  • 菅原 大助
    論文ID: 65.2513
    発行日: 2026年
    [早期公開] 公開日: 2026/02/01
    ジャーナル フリー 早期公開

    津波堆積物は,痕跡高の代替情報として歴史時代・先史時代の津波波源の推定に使われてきた.津波浸水計算と津波堆積物分布の比較は簡便な手法として多く用いられてきたが,そこで考慮されるのは堆積物データのごく一部であり,また質的に異なるデータ(堆積物の分布と浸水域)の間接的な比較となることが課題であった.土砂移動計算で津波堆積物を再現することで,データとの直接的な比較が可能となるが,データのばらつきや計算の不確かさの取り扱いが課題として検討されている.津波堆積物逆解析による水理量も波源推定の境界条件として有望であり,研究のさらなる発展が期待される.

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