日本再生歯科医学会誌
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12 巻, 1 号
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原著論文
  • 吉川 美弘, 川本 章代, 廣田 秀逸, 加山 智規, 竹山 旭, 鎌田 愛子, 田村 功, 合田 征司, 堂前 英資, 小正 裕, 岡崎 ...
    原稿種別: 原著論文
    2014 年 12 巻 1 号 p. 2-10
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/05/11
    ジャーナル フリー
    活性型ビタミンD(1,25(OH)2D3)は骨芽細胞を介して,骨吸収を司る破骨細胞の分化と活性化を促進する.この作用はin vitroにおいて骨誘導タンパク質(BMP)-2との共刺激によりさらに促進されることが知られている.この機序を明らかにするために,1,25(OH)2D3とBMP-2を添加した際の,骨芽細胞が発現する破骨細胞分化誘導因子のRANKL,およびビタミンDレセプター(VDR)のmRNAとタンパク質の発現の変化について検討した.骨芽細胞様細胞MC3T3-E1を1,25(OH)2D3 (10−8 M)とBMP-2 (100 ng/mL)で共刺激すると,1,25(OH)2D3 (10−8 M)単独刺激に比べて,RANKL mRNA発現は有意に高値を示した.同様に,VDR mRNAとタンパク質発現も有意に高値を示した.1,25(OH)2D3存在下で,BMP-2が骨芽細胞のVDR発現を上昇させ,その結果,1,25(OH)2D3の作用が増強しRANKL mRNA発現を上昇させ,破骨細胞の分化と活性化が促進される可能性が示された.
  • 三島 弘幸, 門田 理佳, 尾﨑 真帆, 服部 淳彦, 鈴木 信雄, 筧 光男, 松本 敬, 池亀 美華, 見明 康雄
    原稿種別: 原著論文
    2014 年 12 巻 1 号 p. 11-22
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/05/11
    ジャーナル フリー
    本研究はメラトニンが象牙質の組成や組織構造に及ぼす影響を分析学的及び組織学的に解析することを目的とした.本研究は出生後5日,6日,7日令のSDラットを用いた.メラトニン投与群では象牙前質に石灰化球が多く見られ,投与濃度上昇につれ象牙前質中の石灰化球数は増加し,大きさも大きくなった.ALP染色は対照群と比べて高濃度群により強い青紫色のALP発現が見られ,メラトニン投与濃度が上昇するにしたがって,象牙芽細胞のALP発現が強くなった.SEM-EDS分析,EPMA分析では,昼間,夜間試料共に投与群でCa及びPが多く含有していた.顕微レーザーラマン分光分析は,PO43-ピークが高濃度群でピークが高く,半価幅も狭まり,メラトニン投与によって,PO43-の分子配向性,アパタイト結晶性が良好となった事が判明した.メラトニンは象牙質の組織形成を促進し,石灰化を亢進し,象牙質の石灰化に影響を及ぼすと考察される.
総説
  • 飛田 護邦
    原稿種別: 総説
    2014 年 12 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/05/11
    ジャーナル フリー
    平成25年5月に,再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律(平成25年法律第13号)が公布,施行され,再生医療を国民が迅速かつ安全に受けることを可能とするための基本理念を定めるとともに,国が法制上の措置等による対応を講じることが明記された。この法律をもとに,平成26年11月に再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号。以下「再生医療等安全性確保法」という。)と,薬事法等の一部を改正する法律が施行された。再生医療等安全性確保法で定められる再生医療等技術とは,人の身体の構造又は機能の再建,修復又は形成,又は人の疾病の治療又は予防を目的として細胞加工物を用いるものであり,臨床研究だけでなく自由診療として実施されている再生医療等技術も本法に含まれる。歯科領域で実施される再生医療においても,再生医療等安全性確保法に定められている再生医療等技術を用いる場合には,本法に従い提供する必要がある。そこで,本稿では再生医療等安全性確保法に基づいて提供しなくてはならない歯科再生医療技術の紹介を交えながら,再生医療等安全性確保法の概要を解説する。
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