日本再生歯科医学会誌
Online ISSN : 1880-0815
Print ISSN : 1348-9615
ISSN-L : 1348-9615
6 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
総説
  • 今井 弘一
    原稿種別: 総説
    2008 年 6 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2008/12/30
    公開日: 2009/01/12
    ジャーナル フリー
    再生医学の研究は現在大きく発展してきました.とくに再生歯科の研究の場合は高次の最終分化した特殊な細胞を使用することが多く,そのため,多くの口腔組織や細胞では研究が難しくその内容はさらに複雑です.歯科分野はとくに古くから補綴という人工材料を用いた独自の領域が発展してきた歴史があります.さらに,臨床歯科領域で新しい安定した治療法が期待されているものの研究内容で実際に臨床に応用された例は非常に少ないのが現実です.これらの問題を解決させるため,3つの新しい独自のアプローチを提案します.
    1.新アイデアの”義歯カメラ”を使った目の代替.盲目の人に実際の景色が見えるかも知れないものです.
    2.義歯スペースを使用したドラッグデリバリーシステム.様々に応用可能な新しい秘密のポケットを口腔内に発見するかも知れないものです.根管は血管と外部を24時間にわたって交通できる唯一の場所だからです.
    3.コンポジットレジン重合用光照射器を使った根管治療と充填法.透明な根管充填用ポイントが使用され,弱い光毒性によって根尖組織再生に応用されます.また,通常の光毒性の場合はポイントを抜かずに光照射だけで感染根管の治療目的にも使用できます.
  • 松井 理佐子
    原稿種別: 総説
    2008 年 6 巻 1 号 p. 9-20
    発行日: 2008/12/30
    公開日: 2009/01/12
    ジャーナル フリー
    1993年発売のテルダーミスはコラーゲン層とシリコーン膜からなり,口蓋裂形成術創,熱傷,外傷,腫瘍や潰瘍切除後の手術創等の重度の皮膚・粘膜欠損の修復に用いることができる.コラーゲン層は,抗原性の少ないアテロコラーゲンを線維化したものと熱変性したものを混合し,熱処理により架橋しているためアテロコラーゲン本来の生体親和性を損なわず,皮膚・粘膜欠損部に貼付すると,コラーゲン層自体が傷口からの細胞侵入で肉芽様組織を構築する.アテロコラーゲンを線維化させたものは,創収縮を抑制するとともに周囲細胞の足場となり,熱変性させたものは,コラーゲン層自体への周囲細胞の侵入を促す働きを持つ.1998年発売のテルプラグはテルダーミスのコラーゲン層と同じ組成の材料であり,抜歯創に充填すると,止血を促すのみならず,肉芽形成を促し,歯肉の陥入防止や歯槽提の幅や高さの保持などの空間確保や組織再生に役立つ.
原著論文
  • 奥森 直人, 石川 敏樹, 前谷 崇志, 五十嵐 崇恭, 五十嵐 俊男, 吉成 正雄
    原稿種別: 原著論文
    2008 年 6 巻 1 号 p. 21-34
    発行日: 2008/12/30
    公開日: 2009/01/12
    ジャーナル フリー
    サプリメント(デキサメタゾンおよびβ-グリセロフォスフェート)とBMP-2の複合効果がヒト骨芽細胞の増殖と分化に与える影響を明らかにすることを目的として,孔あきチタンの下にBMP-2を含浸させたアテロコラーゲンを配置し,チタン上でのヒト骨芽細胞の増殖と分化に与える影響を検討した.その結果,複合添加は細胞増殖には影響を与えなかったが,細胞分化に影響し,アルカリフォスファターゼ(ALP)活性およびオステオカルシン(OC)発現がやや増加した.細胞分化に与える効果はサプリメント添加で大きく,BMP-2添加では小さかった.形態学的検討では,複合添加により石灰化が促進していることが確認された.以上より,BMP-2による骨芽細胞の分化には,デキサメタゾンやβ-グリセロフォスフェートの複合添加が重要な役割を果たすと推察された.
feedback
Top