ITS(高度道路交通システム)の分野では,道路交通情報提供システムや自動料金収受システムといったサービスが今や定番と呼べるほど広く普及している.現在では,車車間通信や路車間通信を用いてドライバや車載センサの検知・認識限界を拡張する「協調システム」の開発が進められている.
欧米では安全性向上,高齢社会や人口の都市集中などへの対策として自動運転を究極の目標においており,その実現に向けたマイルストーンとして協調システムを捉え,開発・実証実験に力を入れている.また,協調システムのコスト低減を目指して米国とEUは仕様共通化の検討を進めており,それぞれの標準化団体の規格の作成や改訂が行われている.こうした動きはISOにおける国際標準化活動にも大きく影響している.
ISOにおけるITSに関する国際標準化は技術委員会の1つ,TC204(Intelligent Transport Systems)が推進している.1992年に設置され,翌年から活動が始まった.TC204の議長国は米国であり,現在はITS Americaが事務局を務めている.
我が国のTC204対応組織としては, ITS標準化委員会(委員長:東洋大学尾崎教授)が設置されており,公益社団法人自動車技術会(JSAE)を事務局に活発に活動を推進している.JARIはWG1(システム機能構成)分科会の引受団体となっているほか,ITS標準化委員会の幹事役として,委員長,事務局を補佐,活動の推進を支援している.
本稿では,TC204における国際標準化活動に関する最近のトピックスを紹介する.TC204の活動の詳細,ITS標準化委員会内の体制等については,JSAE発行の報告書,ITSの標準化パンフレット2)などを参照願いたい.
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