JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2012 巻, 10 号
JARI Research Journal 2012年10月号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
研究速報
  • 本間 亮平, 大谷 亮
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻10 号 論文ID: JRJ20121001
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    通信技術を利用した安全運転支援システムによって,ドライバから直接見えない/見えにくい危険因子(ハザード)の情報提供をする際,システムの意図をドライバが適切に理解できるように伝えることが重要との指摘がある.例えば,複数の情報が提供される状況にて,死角に支援対象のハザードが存在するにも関わらず,当該ハザードの情報を消して新たな情報を表示すると,ドライバはハザードが解消されたと誤解してしまい,運転に負の影響が生じることがわかっている.このように,検知した見えないハザード情報をいかにしてドライバに伝えるか,ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)の設計が重要になる.  通信利用型運転支援システムによる対策が期待される事故形態の一つとして無信号交差点での出会い頭事故がある.当該事故では,非優先側車両が停止せずに交差点へ進入した事例が多く,一時停止規制や交差点の見落しに加え,交差車両などのハザードは来ないだろうという予測(思い込み)が原因と分析されている.また,「思い込み」を生じさせる一つの要因として,交差道路の見通しが影響することもわかっている.交差道路が全く見えない交差点に比べ,一部を見通すことができる交差点では,視認可能な領域にハザードがない場合に,「ハザードはないだろう」との思い込みが生じやすく,故に高い速度のまま交差点へ進入してしまい,衝突リスクが高まる.なお,同様の見通し状況でも,思い込みを生じるドライバと生じないドライバとが存在し,ハザードがないと思い込みやすいドライバは,交通状況に対する危険度を低く評価し,かつ安全運転への自信を高く評価する傾向であることも明らかになっている.  思い込み状態のドライバにハザードを知らせる情報を提供すると,ドライバの状況認識とシステムによる情報との間に矛盾が生じるため,情報に対する信頼感の低下などによる影響が懸念される.そこで,本研究ではドライビングシミュレータ(以下,「DS」という)上に見通し状況の異なる交差点を設定し,交差車両情報を提供する実験を行った.各交差点に対する思い込みの生じやすさを確認した上で,思い込みを生じた/生じなかったドライバの情報の受け止め方と支援効果を検証した.
  • -自車が走行中に複数の情報が提供された場合の視聴覚表示による伝達方法-
    大谷 亮, 江上 嘉典, 岩城 亮 , 中村 之信
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻10 号 論文ID: JRJ20121002
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    ドライバから直接見えないまたは見え難い箇所に関する情報を提供するインフラ協調安全運転支援システム(以下,「インフラ協調システム」という)の実用化に向けた検討が各所で行われている.実用化に際しては,異なる情報が同時に提供される状況が想定されており,幾つかのメッセージが視聴覚表示により同時に提供された場合に生じる運転行動への負の影響を低減するための情報伝達方法を把握することは,システムの効果を最大限に発揮するために重要である.前報では,2種類の情報が視聴覚表示により提供された場合の運転行動などへの影響を把握した.  本研究では,自車が走行中の場合を運転シミュレータ(以下,「DS」という)に模擬して,2種類から4種類までの情報が提供された場合の運転行動などへの影響と,負の影響を低減するための視聴覚表示による情報伝達法方法を調査した.
  • 松田 佳之, 吉 村 昇, 清水 貴弘, 今村 大地, 橋正 好行
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻10 号 論文ID: JRJ20121005
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    燃料電池自動車の本格的普及に向けて,燃料コストを上昇させず,かつ燃料電池の発電性能に影響を与えないような水素の品質規格が必要である.燃料電池自動車用の水素品質規格は,ISO/TC197 (水素技術)/WG12(水素燃料仕様)において弊所からの実験データを中心に議論され,2011年にISO/DIS(Draft International Standard)14687-2が回付され,2012年度にはISO規格になる見込みである.COは水素中に含まれる可能性がある不純物のうち,燃料電池の発電性能に対して影響が大きいことが知られており,かつ燃料中へ混入する可能性が高い.このことから,その許容濃度は0.2 ppmとされている.しかし触媒量が低減された場合などでは,この濃度付近での電圧低下への影響が懸念されている.不純物による燃料電池への影響評価はこれまで一定電流での条件を中心にデータを取得してきたが,燃料電池自動車では負荷が変動する.しかし,負荷変動によるCOの影響についての報告は少なく不明な点が多い.そこで本研究では,燃料電池の負荷変動時におけるCO被毒の軽減効果について調査した.
技術資料
  • 伊藤 晃佳, 寺田 重雄, 林 誠司, 吉川 康雄
    原稿種別: 技術資料
    2012 年2012 巻10 号 論文ID: JRJ20121003
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    沿道大気環境における自動車排出ガスの影響評価や将来推計を行う場合,評価ツールとして,沿道大気質シミュレーションモデルが活用されている.Fig. 1は,2007年度から2011年度に実施された大気環境改善を目指した自動車業界と石油業界の共同研究プログラムであるJapan Auto-Oil Program(以下;JATOP)で開発された沿道大気質予測シミュレーションモデルのデータフローの概要を表している.Fig. 1に示すように,このモデルは,4つのサブモデル(交通流モデル(Paramics),自動車排出量推計モデル,気流モデル,移流・拡散モデル)により構成されており,これらのサブモデルには,Fig. 1に示す入力データや,それ以外にも多種多様なデータやパラメータなどが入力データとして用いられている.  沿道大気質の評価を行う際,自動車排出量分布データが特に重要であるが,自動車排出量推計に用いられる入力データやパラメータは非常に種類が多いため,一つ一つのパラメータについて整理した例はあまりない.  本稿では,JATOPにて開発された沿道自動車排出量推計手法の技術資料として,特に推計部分を大きく担う交通流モデルと自動車排出量推計モデルに関して,入力データや出力データのデータフローのまとめを行い,自動車排出量の推計精度に影響を与える各種要因とその影響度について整理・検討を行った.
  • 林 誠司, 金成 修一, 木村 真, 米沢 三津夫, 平井 洋
    原稿種別: 技術資料
    2012 年2012 巻10 号 論文ID: JRJ20121004
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    わが国の二酸化炭素(CO2)排出の約2割を占める自動車交通分野の対策が求められている.自動車からのCO2排出量削減方策として,燃費改善などの自動車単体対策,ITS(高度道路交通システム)の活用による交通流対策のほかに,エコドライブの普及促進などの走行方法の環境配慮化が挙げられる.エコドライブの普及に向けて,民間の交通関係団体で組織された「エコドライブ普及推進協議会」や,警察庁,経済産業省,国土交通省および環境省が設置した「エコドライブ普及連絡会」など官民を挙げた取り組みが進められ,職業ドライバーだけでなく,一般ドライバーに対する普及活動が推進されている.  これらの効率的な施策運用には,事前の効果評価が有効である.平成20年度からの5か年計画で独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構にて実施されているエネルギーITS推進事業1)の一環として,国際的に信頼される効果評価方法の確立を目的とした研究を進め,施策効果評価ツールの開発を行っている.  本稿では,国内外で推進されているエコドライブの具体的な方法を紹介し,上述したCO2削減効果評価ツールにより試算した都心部におけるエコドライブの評価結果例について記す.
  • -協調システムの日米欧メッセージの比較分析-
    鈴木 尋善
    原稿種別: 技術資料
    2012 年2012 巻10 号 論文ID: JRJ20121006
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    メッセージやデータセット(以下,各々MSG,DSという)は協調システムの開発,実用化上必須なものであり,欧州のETSIや米国のSAEで早くから規格化され,欧米の協調システムの様々なプロジェクトで使用されてその内容が評価されてきた.また,日本のITSスポット,DSSSシステムにおいてもMSGは規格化され,ASVシステムでも暫定版MSGが定義されている.  また,グローバルな協調システムを実現するためにMSGやDSの国際標準化が重要であり,欧米は協調して欧州および米国で規格化した主要なMSGを調整しつつある.  本研究は,ITSの規格化事業として経済産業省からの受託により,路車間・車車間協調のITSサービスを標準的な車載機で実現する協調システムの規格化検討,国際規格化提案を支えることを目的とするものであり,協調システムのMSGの国際標準化提案における日本の早期検討や提案が可能となるよう,主要な欧米のMSGと,対応する日本のITSスポット,DSSS,ASVのMSGとの詳細な比較分析を行った.
  • 香月 伸一
    原稿種別: 技術資料
    2012 年2012 巻10 号 論文ID: JRJ20121007
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    ITS(高度道路交通システム)の分野では,道路交通情報提供システムや自動料金収受システムといったサービスが今や定番と呼べるほど広く普及している.現在では,車車間通信や路車間通信を用いてドライバや車載センサの検知・認識限界を拡張する「協調システム」の開発が進められている.  欧米では安全性向上,高齢社会や人口の都市集中などへの対策として自動運転を究極の目標においており,その実現に向けたマイルストーンとして協調システムを捉え,開発・実証実験に力を入れている.また,協調システムのコスト低減を目指して米国とEUは仕様共通化の検討を進めており,それぞれの標準化団体の規格の作成や改訂が行われている.こうした動きはISOにおける国際標準化活動にも大きく影響している.  ISOにおけるITSに関する国際標準化は技術委員会の1つ,TC204(Intelligent Transport Systems)が推進している.1992年に設置され,翌年から活動が始まった.TC204の議長国は米国であり,現在はITS Americaが事務局を務めている.  我が国のTC204対応組織としては, ITS標準化委員会(委員長:東洋大学尾崎教授)が設置されており,公益社団法人自動車技術会(JSAE)を事務局に活発に活動を推進している.JARIはWG1(システム機能構成)分科会の引受団体となっているほか,ITS標準化委員会の幹事役として,委員長,事務局を補佐,活動の推進を支援している.  本稿では,TC204における国際標準化活動に関する最近のトピックスを紹介する.TC204の活動の詳細,ITS標準化委員会内の体制等については,JSAE発行の報告書,ITSの標準化パンフレット2)などを参照願いたい.
研究活動紹介
  • 國弘 由比
    原稿種別: 研究活動紹介
    2012 年2012 巻10 号 論文ID: JRJ20121008
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近年,ICT(Information and Communication Technology)はITSなど様々な分野のツールとしての実利用が始まってきている.例えば,自動車にはスマートフォンなどのデバイスが持込まれ始め,カーナビとしてだけでなく,運行管理や動態管理などに活用するシーンが拡大してきている.また,自動車やスマートフォンから集められた情報を加工し,新たな価値を生み出そうとする動きも活発になってきている.  また,エネルギーや環境の面から普及が期待される電気自動車にも,効率的な充電インフラの活用や自動車に搭載されている蓄電池の状態把握などにスマートフォンが活用され始めている.  さらに,インフラの整備が完了したITSスポットについては,民間サービスとの連携による整備効果の発現などが期待されている.  日本自動車研究所では,毎年,所内に設置したITS産業動向調査研究会にて,ITSの最新動向調査や市場分析を実施し,報告書にまとめて頒布している1).今年度の調査では,従来の調査分野に加えて,スマートフォンなどの外部メディアの持込みや連携により変化する自動車の情報利用環境などについて調査を実施した.本稿では,スマートフォンの普及による変化と,ITSスポットサービスの展開について紹介する.
feedback
Top