平成19年度から23年度の5か年で実施されたJATOP:Japan Auto-Oil Programでは,高精度な大気質シミュレーションモデルの開発と活用が進められ,その一環として自動車排出量推計モデルが構築された.このモデルでは,暖機後のテールパイプ排出以外にも,始動時排出,燃料蒸発ガス,劣化影響や高排出車影響などが考慮されている.一方,自動車用エアコン(Mobile Air Conditioner,以下,MACという)による排出量への影響に関する複数の研究がなされているが,排出量推計にMAC影響が考慮された例はほとんどない.しかし,国内で販売される新車のMAC装着率はほぼ100%であり,その影響を無視することはできない.そこで,JATOP大気研究グループでは,自動車排出量に及ぼすMAC影響のモデル化と,このモデルを用いた影響試算を実施した.MAC影響を精度良く把握するには,異なる車種やコンプレッサ種類の試験車両にて,異なる環境条件の試験を実施する必要があるが,限られた期間・設備での検討であったため,ここではガソリン乗用車におけるMAC影響のモデル化と排出量影響の試算に留めることとした.
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