JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2012 巻, 12 号
JARI Research Journal 2012年12月号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
研究速報
  • 佐藤 房子, 江島 晋, 上地 幸一, 安木 剛
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻12 号 論文ID: JRJ20121202
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    従来,車両の安全対策について議論する際には,衝突実験用ダミー(以下,「ダミー」という)を用いた実験結果より検討されてきた.しかしながら,ダミーは人体の構造と大きく異なることや,ダミーを用いて評価することが困難な傷害が実事故において数多くみられることが指摘されている1). そこで,既存の技術を補完するためのツールとして,人体コンピュータモデル(以下,「人体モデル」という)が衝突安全の分野において活用されるようになってきた.人体モデルは,人体の構造,ならびに機械的特性をコンピュータ上で詳細にモデル化できる利点を有することから,自動車の衝突事故による傷害発生メカニズムの解明,ならびに車両の衝突安全性の評価に用いられている.著者らは,標準体型(AM50)の人体有限要素モデルとして,歩行者モデル,および乗員モデルの改良を行ってきた2)~4)など.  人体有限要素モデルを用いて自動車事故における歩行者,ならびに乗員の挙動を再現する際,体幹の捩れや,脊椎の伸展において,腰椎の機械的特性が全身の挙動に及ぼす影響が大きいと考えられる.本研究では,人体有限要素モデルより腰椎における隣接した二つの椎体,ならびに椎体間に存在する椎間板,靭帯を抽出し,圧縮,せん断,曲げ,ねじり挙動シミュレーションを実施した.さらにその結果を用いて腰椎の椎体間挙動の応答特性を導き,文献等に示されている実験結果と比較することにより,本研究で用いた腰椎モデルの妥当性について検証した.
  • 安部 原也
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻12 号 論文ID: JRJ20121203
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    先行車追従中の車間時間(Time Headway (THW):車間距離(m)/自車速度(m/s))と先行車の速度変化に対するドライバ反応との関係について,追従中のTHWが短いほど,ドライバ反応がより迅速になることが知られている.この理由は,短いTHWで先行車に追従している場合には,先行車の動きに対して敏感に反応しなければ,THWが急に短くなり追突の可能性が高まるのに対し,長いTHWの場合には,短いTHWのときほどには機敏に反応する必要がないからである.機敏に反応する必要がないからといって,ドライバが運転以外のことに注意を向けてしまうと,運転に対する注意が削がれる状態に陥ることになり,結果として追突の可能性が高まる. Strayerらは,ハンズフリーの携帯電話(認知的ディストラクションの一つの形態)を使って会話をしながら走行している場合に,咄嗟の状況変化への対応に遅れが生じる可能性のあることを指摘している.ただし,走行状況の違い,例えば先行車追従時のTHWの違いによって,認知的ディストラクションによる運転行動への影響にどのような差異が生じるかは十分に検討されていない. 一方,THWの取り方が認知的ディストラクションに及ぼす影響を明らかにすることは,追突警報の設計にも有用である.追突警報は認知的ディストラクション状況において有効であるが,その有効性は認知的ディストラクションへと運転行動との関係に依存すると考えられるからである. 本研究では,認知的なディストラクションの状態で先行車に追従している状況を運転シミュレータ上に設定して,先行車追従時におけるTHWの取り方の違いによって,運転行動がどのように異なるかを調べた.さらに,THWの違いによって,追突警報による支援を受けた場合の効果がどのように異なるかを調べた.
  • 鈴木 徹也, 船崎 敦
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻12 号 論文ID: JRJ20121206
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    アジア諸国では,経済発展に伴うモータリゼーションの急速な進展により,石油などのエネルギー資源の消費が増大している.それに伴い,自動車に代表される運輸部門においてCO2排出量が増加しており,国情に見合った効果的なCO2排出削減施策による早急な対応が迫られている.  そこで本研究では,インド,タイ,インドネシア,マレーシア,フィリピンの5カ国において,2050年までの道路交通部門(乗用車,貨物車,二輪車)におけるCO2排出量と削減施策ごとの削減量を推計した.削減施策として,燃費基準導入による新車燃費改善,次世代自動車導入,交通流改善,燃料の多様化(バイオ燃料導入)を対象とし,それぞれシナリオを設定した.  推計では,できるだけ現地の実態に即したデータを用いることが望ましい.本研究では,インドネシアのジャカルタ首都圏において収集した実走行データをアジア5カ国の代表として活用した.
技術資料
  • 森川 多津子, 茶谷 聡, 中塚 誠次
    原稿種別: 技術資料
    2012 年2012 巻12 号 論文ID: JRJ20121204
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    2007年度から2011年度の5か年で実施されたJapan Auto-Oil Program(JATOP)では,高精度な大気質シミュレーションモデルの開発と活用が進められ,広域大気質シミュレーションでは,PM2.5を対象に,2005年度を再現したシミュレーションおよび,2020年度を対象とした将来の自動車排出ガスがおよぼす影響予測を実施している. 本報告では,JATOPの将来の自動車排出ガス算出のためのシナリオ設定手法について詳細に述べ,将来の自動車排出量の変化と,それによる大気環境への影響についてふれる.
  • 利根川 義男, 佐々木 左宇介
    原稿種別: 技術資料
    2012 年2012 巻12 号 論文ID: JRJ20121205
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    平成21年(2009年)9月に,国内での大気中微小粒子状物質(粒径2.5μm以下の粒子.以下,PM2.5)の環境基準が告示された.告示に先立ち中央環境審議会大気環境部会から出された答申には,「微小粒子状物質やその原因物質の排出状況の把握及び排出インベントリの作成、大気中の挙動や二次生成機構の解明等、科学的知見の集積について、地方公共団体、研究機関と連携を取りながら、関係事業者の協力を得つつ、実施する必要がある。」との記載があり,今後様々なPM2.5関連物質についての研究が推進していくものと考えられる.  自動車走行に関連して排出されるPM2.5としては,テールパイプから排出される元素状炭素(EC)などが考えられるが,近年の排出ガス規制の強化により,その排出量は年々減少している傾向にある.  一方,自動車の走行に伴いテールパイプ以外から排出される粒子状物質として,ブレーキ粉塵やタイヤ摩耗粉塵などがあるが,その排出実態については良くわかっていない.  環境中のタイヤ摩耗粉塵実態については,タイヤ業界が実施したタイヤグローバルサンプリングプロジェクトにおいて,空気,土壌,沈殿物中のタイヤ摩耗粉塵がフランス,アメリカ,日本の代表的な3水域で測定されており,その濃度は毒性のあるレベルを下回っているとしている.しかしながら,実路走行に伴い自動車用タイヤから直接排出されるタイヤ摩耗粉塵の排出係数については,あまり研究がなされていない状況にあり,今後研究を進めていく必要があると考えられる.  非テールパイプ由来の自動車走行起因粒子として,タイヤ摩耗粉塵,ブレーキ摩耗粉塵,巻上げ粉塵などがあるが,この中でタイヤ摩耗粉塵の排出濃度のみを評価するためには,タイヤ由来成分のみを区分けして評価する分析法が必要である.そこで,本研究では,タイヤ摩耗粉塵の定量法を評価するため,その分析法について検討を行った.
研究活動紹介
  • 小池 博
    原稿種別: 研究活動紹介
    2012 年2012 巻12 号 論文ID: JRJ20121201
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    道路交通騒音は大きな社会問題の一つになっている.騒音低減のための対策には音源対策,伝搬対策,受音対策があるが,最も基本的な対策は,音源対策である.このような考えに基づいて自動車単体騒音規制が施行され,過去数回にわたって規制の強化が行われてきた.しかし,幹線道路沿道では依然として深刻な状況が続いており,更なる対策が必要になっている.そのためには,前述のように発生源のみならず伝搬対策や受音対策など総合的な対策が必要である.  そこで,日本自動車研究所(JARI)では,2000年から自動車,タイヤ,舗装,交通流,環境,建物など,各分野の音響・騒音関連の研究者や技術者から成る技術懇談会を設置し,分野間の情報交換を行ってきた.本稿では,その活動の経緯と内容について紹介する.
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