JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2012 巻, 6 号
JARI Research Journal 2012年6月号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
研究速報
  • -セル温度の影響評価-
    今村 大地
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻6 号 論文ID: JRJ20120603
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cells, 以下「PEFC」という)の酸化剤ガスとして使用される空気には,窒素,酸素以外にもさまざまな微量成分が含まれている.微量成分の種類や濃度によっては,PEFCの性能に影響を及ぼす可能性があるため,自動車用PEFCの実使用環境下での性能や耐久性を評価するためには,空気中に含まれる微量成分がPEFCに及ぼす影響を詳細に把握することが重要である.  様々な微量成分の中でも,化石燃料の燃焼等で排出されるSO2は燃料電池性能への影響が大きいことが知られているが,その性能低下機構は完全には分かっていない.PEFCは通常80°C付近で運転されることが多いが,セル温度は運転条件によって変化する.また効率を上げるためにより高い温度での運転に適した材料開発も行われている.本研究では,PEFC運転時のセル温度がSO2による性能低下に及ぼす影響について評価した.
  • 松野 優, 糸井 裕彦, 川 浩明, 高橋 文夫, 田村 陽介, 三枝 省五
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻6 号 論文ID: JRJ20120606
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    2015年を一般ユーザーへの燃料電池自動車(以下,FCVという)の普及開始時期とするため,官民共同でFCVと水素インフラの普及に向けた安全性検証や規制見直しの取り組みが進められている.水素ステーションにおけるFCVへの充てん方法に関しては,安全で短時間に水素を満充てんすることが要求されている.この要求を満たすためには,充てん前にFCV側の仕様・容器状態(温度,圧力)を把握する必要がある.その手段として,充てん前および充てん中に容器の情報をFCVから水素ステーションへ伝える通信充てんの普及が世界的に進んでいる.その通信方法は,通信不良の可能性が少ない非接触通信が主流であり,赤外線を利用した通信充てんの技術基準がSAE J2601などに規定されている.一方,日本の水素ステーションにおいても赤外線を利用した通信充てんの導入が検討されているが,その導入にあたり,日本の高温多湿な気候条件下での使用も考慮した通信充てんの安全性を確認する必要がある. そこで,本報では赤外線を利用した通信充てんの安全性を評価する通信性能試験と,赤外線機器と水素充てん用ノズル等を用いて,水素ステーションにおける通信を模擬した容器充てん試験を実施したので,その結果を報告する.
  • 冨岡 純一, 木口 和博, 田村 陽介, 三石 洋之
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻6 号 論文ID: JRJ20120607
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    自動車用圧縮水素容器の技術基準として,現在,35MPa用容器を対象とした「圧縮水素自動車燃料装置用容器の技術基準 JARI S 001 (2004)」がある.スペース効率の向上,航続距離の伸長などを目的として,最高充填圧力をこれまでの35MPaから70MPaに引き上げることが求められている.そこで,新たな技術基準「70MPa圧縮水素自動車燃料装置用容器の技術基準 KHK S 0128」が,高圧ガス保安協会により2010年に制定された.KHK S 0128では,1個の容器に様々な負荷を与えるシリーズ試験(使用環境負荷試験)が新たに規程されている.しかし,使用環境負荷試験に関する実際の試験実績やデータが不足しているため,試験を実施する上での問題点の把握および現状容器の実力値把握を行う必要がある.このため,現行JARI S 001の70MPa相当の要件を満たした70MPa-VH3容器および70MPa-VH4容器を用いて,使用環境負荷試験を実施した.
  • 田村 陽介, 大塚 宣明, 竹内 正幸
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻6 号 論文ID: JRJ20120608
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    水素燃料電池自動車を,より安全に安心して使用するためには,衝突や火災後の事故処理に関わる安全な作業工程を事前に検討しておく必要がある.事故処理の一連の作業工程の中で,安全上,課題が残された事象のひとつに,水素ガスが漏れたままの状態で,事故処理をしなければならない場合がある.具体的には,衝突事故などにより水素漏れが発生している中で,車両に閉じ込まれた乗員を救助する場合,あるいは地下駐車場などで水素漏れが止められない車両を安全な場所へ移動したい場合などがある.このような事態に直面した際の安全な方策のひとつとしては,送風機で風を送りながら,漏れている水素ガスを最小可燃限界以下に拡散させながら事故処理作業をする方法がある.本研究では,この第一歩として,乗用車の車両底部から水素ガスが漏れた場合を想定し,送風による水素の拡散効果および安全性を調べるため,救助者の安全性に着目した送風を伴う車両周囲の水素濃度の計測,および引火試験を実施し,ある送風条件下での有効性を調べたので,以下に報告する.
技術資料
  • 中嶋 太一, 山崎 邦夫, 小野 古志郎, 角谷 佳治, 澤田 正英
    原稿種別: 技術資料
    2012 年2012 巻6 号 論文ID: JRJ20120602
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    自動車の追突事故における後面衝突による頚部傷害を低減させるための試験法がUN GTR (Global Technical Regulation)で議論されている.2009年12月からは,GTR-Phase2インフォーマル会議(動的評価試験に関する新たな議論:GTR7)が開始され,日本はテクニカルスポンサーとしてサポートを行っている.現在では,ターゲットとする傷害,ならびに試験方法等に加え,動的スレッド試験時におけるダミーの反復性(Repeatability:1体のダミーにおける試験の繰り返し性)や再現性(Reproducibility:複数体のダミーにおける試験の再現性)の議論が行われている.使用するダミーについては,BioRID-IIで検討が進められているが,反復性や再現性に問題があると言われている.そのため,反復性や再現性の向上に向けた議論の一環として,BioRID-IIダミーにおける校正試験方法の改訂が検討されている.そこで,新しく提案されているBioRID-IIダミーの校正試験を実施し,結果について,動的スレッド試験結果と比較するとともに,反復性や再現性向上のために必要な校正試験の検討を行った.
解説
  • -高圧水素技術関連-
    福本 紀
    原稿種別: 解説
    2012 年2012 巻6 号 論文ID: JRJ20120601
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    一般財団法人日本自動車研究所(JARI)はISO/TC22 /SC21(電気自動車),IEC/TC69(電気自動車)の国内審議団体であり,かつ自動車研究に係る研究設備を所有していることから,試験研究による技術データ・研究成果の提供から,ISO,IECの規格案作成・審議まで一連の活動を行うことができる特徴を有している. 高圧水素技術に関する国際標準化についてはISO/TC197が扱っており,国内審議団体は一般財団法人エンジニアリング協会であるが,特に燃料電池自動車に関する技術審議については,主としてJARIが主催する高圧水素標準化ワーキングの場で審議を実施している.平成22年度~24年度にかけては,独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素製造・輸送・貯蔵システム等技術開発事業」の委託を受け,これら一連の活動から着実な成果を収めてきている. 本稿では,高圧水素を使用するに至る燃料電池自動車固有の基準・標準化対象を概括するとともに,2015年の市場創生を目指して現在整備が進められている国内外の基準・標準化活動を紹介し,併せて,今後の課題について述べてみたい.
研究活動紹介
  • 三島 康之, 北村 高志
    原稿種別: 研究活動紹介
    2012 年2012 巻6 号 論文ID: JRJ20120604
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    自動車から排出されるCO2の削減および省エネルギー化は重要な課題となっており,ITS技術を利用した輸送部門の省エネルギー化を図るため,(財)日本自動車研究所(JARI)を始めとする官民学の16機関は,エネルギーITS推進事業「自動運転・隊列走行に向けた研究開発」プロジェクトを(独)産業技術総合開発機構(NEDO)より受託し要素技術実用化の推進に取り組んでいる.  自動運転・隊列走行の研究開発では,高速道路と市街路での自動運転技術によるCO2削減を目指し開発を進めている.高速道路では,車車間通信や各種センサを用いて電子連結による車間距離4mの隊列走行を実現し,空気抵抗の低減によるCO2削減および道路利用の効率化を行う.また市街路では,車両の各種情報を利用した最適速度制御による高度な省エネ走行を実現するとともに,周辺車両への影響を含めた交通流全体におけるCO2削減と省エネの実現を最終的な目標としている(図1,図2).  自動運転による省エネ走行では,ドライバが入手できる情報以外の様々な情報を車両の制御に利用することにより,車両のエンジン特性や道路情報を用いて燃料消費量を予測し,予め効率の良い速度パターンを計算して走行することが可能である.このためドライバの個人差に因らない安定した省エネ運転が可能となる.  今回の報告では,車両モデルの精度について,単独車両による市街地コースでの省エネ走行実験とシミュレーションを比較し,自動運転による省エネ効果をドライバの運転と比較検証した結果について紹介するとともに,省エネ運転についての考え方も合わせて紹介する.
  • -混在交通対応技術紹介-
    鈴木 儀匡, 河島 宏紀, 青木 啓二, 森田 康裕
    原稿種別: 研究活動紹介
    2012 年2012 巻6 号 論文ID: JRJ20120605
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2008年度から5年計画で「エネルギーITS推進事業」による研究開発プロジェクトを実施している.エネルギーITSとは不必要な加減速や渋滞等により発生している無駄な燃料消費量をITSで軽減させようという概念である.本プロジェクトの1つとして,高効率な幹線物流システムの実用化を目指した自動運転・隊列走行の研究開発が行われている.これは高速走行中に車間距離を詰めることで,トラックの空気抵抗を減らし,省エネルギー走行の実現を目指すものである.  本プロジェクトでは,最終的には一般車との混在交通下において車間距離4mで大型トラック及び小型トラック計4台の隊列走行の実現を目指している.短い車間距離での隊列走行をドライバの操作だけに委ねることは困難であることから,操舵・速度制御の自動化の開発を行っている.既報では故障時に安全に対処できるフェールセーフECUやブレーキシステムの開発,隊列走行車制御システム等については報告を行っている.本稿ではこれまでに紹介した内容を基に,混在交通での隊列走行や一般車の割込み等の事象を想定した実証実験の概要を紹介する.なお,実験にあたっては,安全性の確保のため,規定による運転訓練を積んだドライバにより実施した.
  • 筑井 啓介
    原稿種別: 研究活動紹介
    2012 年2012 巻6 号 論文ID: JRJ20120609
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    一般財団法人日本自動車研究所(以下,JARIという)では,2012年4月より「電気自動車(以下,「EV」という)/プラグインハイブリッド自動車(以下,「PHEV」という)用AC普通充電器製品認証」 を開始した.この制度は,電動車両のユーザーに対して,安全・安心な充電環境を提供するとともに,充電器メーカに対しては,充電器の安全性・互換性に係るリスク軽減,開発コスト削減に寄与し,EV/PHEVの普及促進に貢献するものである.  この制度の開始にあたり,認証制度の主旨や内容,認証取得のメリット等についての理解活動を促進するために,2012年4月26日に関係者やプレス向けの説明会を開催した.当日は,主に自動車メーカ,部品メーカ,電気メーカを中心に約150名の参加があり,プレス8社の取材があった.
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