JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2012 巻, 8 号
JARI Research Journal 2012年8月号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
研究速報
  • -フルードカップリング/ロックアップクラッチモデルの開発-
    黒川 陽弘, 森田 賢治
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻8 号 論文ID: JRJ20120801
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近年,地球温暖化が問題になっており,その原因の一つとして自動車等から排出される二酸化炭素(CO2)等の温室効果ガスが挙げられている.自動車のCO2排出量削減方法の一つとして,燃費性能が優れているハイブリッド電気自動車(HEV)が採用されており,重量車にも適用されている.HEVはエンジンに加えて発電機やモータ/ジェネレータ(MG),再充電可能エネルギ貯蔵装置(RESS)等の要素から構成されており,これらの構成要素を走行条件に応じて使い分けている.そのため,エンジン単体ではなく車両全体での排出ガス・燃費性能の評価が必要となる.しかし,重量車においては今後ギヤ比やボディ形状の異なる種々のHEVが登場すると予想され,さらにHEVの排出ガス・燃費試験では試験前後のState of charge(SOC)変化の補正が必要なことから,シャシダイナモメータを用いた試験では試験回数が多くなり,工数やコストが膨大となる.  そこで,重量HEVの排出ガス・燃費試験には試験の効率化が可能なHardware-in-the-loop simulator(HILS)を用いる方法が,2007年3月より国土交通省通達の技術指針「国自環第281号および第282号」として適用されている.現在,HILS法の国内での技術基準化と国際基準調和が検討されているが,そのためにはHEVモデルのすべてを公開する必要がある.しかし,HEVモデルの駆動系モデル部分はソフトウェアメーカが著作権を保持しており,公開することができない.そこで,公開可能な駆動系モデルを独自に開発する必要がある.  本研究では2010年度に開発したパラレルHEVモデルに改良を加え,フルードカップリング・ロックアップクラッチ(FC/LC)を搭載したパラレルHEVに対応する剛体駆動系モデルを開発した.開発した剛体系駆動モデルは,HILS上でJE05モードを用いて精度検証した結果,認証試験に耐え得る精度を有することが確認できたので報告する.
  • - 2011年夏季関東都市・郊外における有機エアロゾルの特性化 -
    萩野 浩之, 森川 多津子, 長谷川 就一, 米持 真一, 関口 和彦, 熊谷 貴美代, 山口 直哉, 飯島 明宏, 嶋寺 光, 速水 洋
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻8 号 論文ID: JRJ20120803
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    国内外において環境基準が設定されている微小粒子状物質(PM2.5)の主要成分のひとつに,有機エアロゾルが挙げられる.これは,複数の化合物で構成され,その起源も一次排出や二次生成から成り立つため,大気中における時空間変動の要因は複雑であることが知られている.大気中での動態を解明するためには,分析技術や解析法の進展が不可欠である. 近年,大気観測や光化学スモッグチャンバー実験において,エアロゾルの化学的性状を分析するため,エアロゾル質量分析計(Aerosol Mass Spectrometer , AMS)が広く用いられている.また,有機エアロゾルの特性化を行うために,質量スペクトルの特性化や統計学手法による発生源解析といった研究が行われている. 本研究では,さいたま,加須,前橋において,2011年夏季にAMSを用いた観測を行った結果を報告する.
技術資料
  • 新井 勇司
    原稿種別: 技術資料
    2012 年2012 巻8 号 論文ID: JRJ20120802
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    車対車の前面衝突の場合,車両のサイズや質量などの相違によって,一方の車両に対して大きな変形が生じ,その乗員に重大な被害を与えることがある.この問題を解決するには,自車の保護性能と同時に相手車への保護性能,すなわちコンパティビリティの確保が必要であり,そのため,1)車体前部構造部材同士の相互干渉(以下,「構造インタラクション」という),2)前面剛性マッチング,3)客室強度,といった要素が重要であるとされている.その中でも,構造インタラクションは安定した車体前部の変形と客室保持のための基礎となるため,コンパティビリティにおける最優先課題に位置付けられ,その評価のための試験法の検討が進められている. 本稿では正面衝突時のコンパティビリティ性能を改善すべく,欧米において実施あるいは提案されている構造インタラクションの評価法の現状と我が国の取り組み状況について紹介する.
  • 柏倉 桐子, 川原 稔, 長津 広海, 佐々木 左宇介
    原稿種別: 技術資料
    2012 年2012 巻8 号 論文ID: JRJ20120804
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    現在,国際連合では自動車排出ガス試験法に関する国際基準調和が進められ,WLTP(Worldwide harmonized Light-duty Test Procedures)傘下のDTP(試験法開発)Gr.?AP(Additional pollutants)において,二酸化窒素,アンモニア(NH3),亜酸化窒素,アルデヒド類,エタノールの測定法が議論されている.これらの物質のうち,NH3は,大気中の二次粒子を生成する原因物質のひとつとして注目されている.また,2009年に設定された大気環境基準PM2.5においては,ガス状成分の光化学反応によって生成される二次粒子の寄与が大きいと言われている. 一方,近年普及し始めた尿素SCRシステムは,尿素を加水分解して生成させたアンモニアを用いて排出ガス中のNOxを浄化する.尿素SCR触媒の下流には酸化触媒が設置され,NOxとの反応で余剰となったNH3は酸化されて排出されない仕組みになっている.しかし,不適合な制御が起きた場合に多くのNH3が排出されるのではないかと懸念されている. 本研究では,WLTP?DTP?APで進められている試験法において測定対象とされているNH3に着目し,NH3のボンベガスを用いて測定装置の基本性能を把握する実験を行った.また,ディーゼル乗用車を用い,排出ガスにNH3ガスや水分を混合して測定値への水分の影響や時系列の応答性について確認し,測定装置の特徴,計測上の注意などについて知見を得たので報告する.
研究活動紹介
  • 鈴木 徹也, 船崎 敦
    原稿種別: 研究活動紹介
    2012 年2012 巻8 号 論文ID: JRJ20120805
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    日本・インドネシア両国政府は,2007年8月20日,日本・インドネシア経済連携協定(JIEPA:Japan-Indonesia Economic Partnership Agreement,以下,「日尼EPA」と略す)に署名し,2008年7月1日に発効した.日尼EPAの自動車分野において,インドネシア側(尼側)は完成車および自動車部品に係る輸入関税の段階的な削減および撤廃に合意している.一方,日本側は,自由化された尼自動車および自動車部品産業の国際競争力を向上させ,両国のWin-Winの経済連携を強化することを目的として,次の3つの産業協力事業の実施を約束している. ①専門家によるインドネシア自動車部品企業への巡回型派遣事業の延長による人材開発協力(WG1:人材開発,担当:JETRO,JAMA,JAPIA) ②国連相互認定協定(1958協定)への加入支援のための政府関係者の専門家派遣による協力(WG2:1958協定加盟,担当:JASIC) ③インドネシア既存機関の研究開発(R&D)機能強化に向けた実現可能性調査(FS)及び調査結果を踏まえてのミッション派遣等による協力(WG3:R&D機能強化,担当:JARI) この産業協力事業の実施については,日本国経済産業省(METI)および尼国工業省(MOI)間で合意された「製造業開発センターイニシアティブ(Initiative for Manufacturing Industry Development Center:MIDEC)」の主要部分を占める自動車セクターの中に位置付けられている. 本稿では,上記3分野の産業協力事業のうち,WG3の管轄の下,JARIが担当する「③尼既存機関のR&D機能強化に向けた協力」について述べる. まず2007年度と2008年度は実施可能性調査を行い,2009年3月11日に開催された第1回自動車・二輪車WGプレナリー会議において,6つの実施項目(大気質改善に向けた排出ガス調査等の技術支援,既存燃料の性状分析の技術支援,バイオ燃料品質基準の策定のための技術支援,騒音試験施設への助言および騒音試験実施への技術支援,タイヤ関連企業および試験機関を対象とした技術支援,安全に係わるUN/ECE規則の試験実施に向けた技術支援)について,2009年度に協力事業を開始することが両国間で合意された. 続いて,2010年3月24日の第2回自動車・二輪車WGプレナリー会議おいて,上記の「安全に係わるUN/ECE規則の試験実施に向けた技術支援」以外の5つの実施項目について,2010年度も実施することが合意された. さらに,2011年3月22日の第2回WG2・W3合同会議において,上記の5項目のうち3項目(大気質改善に向けた排出ガス調査等の技術支援,代替燃料利用のための技術支援,プラスチック,ゴム分野の技術支援)について2011年度も実施することが合意された.  本稿では,これらの3項目における,これまでの活動と今後の取組みについて述べる.
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