JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2012 巻, 9 号
JARI Research Journal 2012年9月号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
研究速報
  • -車外注視との時分割視認における特徴-
    宇野 宏, 中村 之信
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻9 号 論文ID: JRJ20120901
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    インターネット接続や情報管理の機能を持つスマートフォン型携帯電話などの電子機器は,音声認識機能を備えた携行型情報端末としても使用されている.情報端末が自動車内へ持ち込んで使用される場合には,これに起因する交通事故の発生が懸念される.  ドライバが安全に自動車運転を継続するためには,まず車外の交通状況に関する視覚情報の取得に支障を生じないことが重要である.画像表示装置の使用時と無負荷時の運転にて観察される車両横位置変動性を走行実験にて比較したところ,装置への総視認時間が8秒以下であれば車両位置の変動性は悪化しなかった.これらをもとに,自工会ガイドラインでは,運転中のドライバの分割視認の時間パタンを液晶シャッタ付ゴーグル等にて再現するOcclusion法にて,総シャッタ開時間7.5秒までの視認手操作タスクを許容している.  カーナビゲーションシステム等と同様に,情報端末についても,車外を注視する合間に情報端末を視認する時分割の視認行動等により,ドライバは車外状況の情報取得に極力支障が生じないよう努めると思われる.しかしながら,自動車用に設計された装置以外では,別の注視対象がある場合に,どのような視認行動が行われるのかについては具体的にはわかっていない.また,情報端末の音声認識機能により,機器に対する視認負荷を減じる効果も期待されるが,通信利用の音声認識では応答に時間がかかる場合があり,改善効果がみられるかどうかについては確認されていない.  本稿では,車載ナビならびに情報端末タスクを対象に,車外に他の注視対象がある場合の情報端末に対する視認行動の特徴を,停止した車両内における静的状況で予備的に調査したので報告する.
  • 宇野 宏, 中村 之信
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻9 号 論文ID: JRJ20120902
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    交通状況の急変に対するドライバの緊急回避行動は,回避操作が開始されるまでの反応時間や操作量,操作速度,模擬運転での回避の成否などを指標として検討されている.一方,特段の危険性が生じていない場面では,車外の状況確認のための視認行動や,車両の走行状態を維持するためのハンドルあるいはペダルの操作,ならびにその結果である車両挙動や車両位置の変動性などが指標とされる.なかでも車両位置が不適切であることは,車線からの逸脱や車間距離の減少などにつながり,自車と他の交通参加者との衝突のリスクを増すため,安全性への関わりが大きい.このため,たとえば車両横位置の変動性を指標とし,装置操作の負荷がない走行における変動性を上回らないことを目安として,車載ドライバインタフェースが適切であるかどうかが検討されている.  ところで,車両位置変動性の指標値は,指標化の対象とする走行期間の影響を受ける.一般に,対象時間が長いほど道路線形や交通状況の変化に遭遇する機会が増すことから,変動性の指標値も増加する可能性がある.一方で,ドライバは車線逸脱や車間距離の減少を避けるよう運転操作を行うため,急激な状況変化がない通常走行時であれば,ドライバによる対応行動が完了するまでの時間を越えて変動性が増すことはないと予想される.  ただし,変動性の指標値と対象時間との基本的な関係を示す実験データは十分でなく,また運転行動への影響評価の基準として車両位置の変動性を用いる場合に,どの程度の走行期間を指標化の対象とするのが適当であるのかは明確でない.そこで本稿では,実路走行にて取得した車両横位置と先行車までの車間距離のデータを用いて,対象時間の長さと車両位置変動性との関係を調べたので報告する.
  • -カソードからのCO2発生-
    橋正 好行, 松田 佳之, 吉村 昇, 沼田 智昭, 今村 大地, 赤井 泉明
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻9 号 論文ID: JRJ20120903
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    燃料電池自動車の普及のためには,燃料電池本体の性能・耐久性の向上,コスト低減などの課題がある.これらの課題を解決するためには既存の材料を超える性能と耐久性,さらには低コストな燃料電池材料を開発する必要がある.しかし,新規材料の性能や耐久性を評価する共通の方法がないため,各機関で個別の方法を適用して開発材料が評価されている場合が多い.自動車用燃料電池における膜/電極接合体(Membrane Electrode Assembly,以下「MEA」という)の劣化現象を再現させてその耐久性を把握する観点から,FCCJ(燃料電池実用化推進協議会),USFCC(US Fuel Cell Council),DOE(US Department of Energy)などから単セルによるMEAの耐久性評価法(MEA耐久評価プロトコル)が提案されている.しかし,これらの評価方法の中には試験条件が異なる場合があるため,この違いが評価結果に及ぼす影響を把握し,評価の妥当性や評価手法の統一に資するデータを取得することが必要である.一般財団法人日本自動車研究所(以下,「JARI」という)ではJARI標準セルを用いてMEAの耐久評価を行い,評価法策定のための取り組みを行っている.  ここでは耐久評価を進めるにあたり,燃料電池カソードの酸化腐食に及ぼす電位の影響とCO2の発生源について調査した結果を報告する.
  • 安部 原也
    原稿種別: 研究速報
    2012 年2012 巻9 号 論文ID: JRJ20120904
    発行日: 2012年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    追突事故を減らすことは道路交通の安全性向上のために喫緊の課題の1つである.この中で,米国における実際の走行場面のデータ(100-Car Study)によると,先行車に追従走行している場面において,車間時間(Time Headway (THW):自車と先行車との車間距離(m)を自車の速度(m/s)で除した値)が3秒以上になると,先行車減速に伴う追突の危険が高まるケースが少なくないとされている. 短いTHWで先行車に追従している場合には,先行車の動きに対してドライバが機敏に反応しないと追突の危険が高いと考えられる.他方,長いTHWの場合には,THWが短いときほどには機敏に反応しなくとも追突の可能性は低いと想定される.しかし,機敏に反応する必要がない状況において,ドライバが運転以外のことに注意を向けてしまうと,脇見等の運転に対する注意が削がれる状態に陥ることになり,結果として追突の危険が高まる可能性がある.そこで,THWの違いによって,脇見の仕方が実際にどのように異なるかを調べることが必要となる.THWと脇見行動との関係を明らかにすることは,追突警報の設計にも有用である.すなわち,追突警報は脇見などのディストラクション状況において有効であるが2),その有効性はTHWと脇見の長さにも依存すると考えられるからである. 本研究では,運転シミュレータ実験により,先行車追従時のTHW,先行車の減速度の違いによる脇見の継続時間(脇見時間)および減速行動への影響を調べた.さらに,追突までの時間的な緊急性に応じた脇見運転時の追突リスクと追突警報による追突リスクの低減効果との関係について調べた.
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