JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2013 巻, 1 号
JARI Research Journal 2013年1月号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
研究速報
  • 細谷 純一, 辺見 愛, 古根村 綾乃, 田村 久美子, 伊藤 剛
    原稿種別: 研究速報
    2013 年2013 巻1 号 論文ID: JRJ20130101
    発行日: 2013年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近年では大気汚染の健康影響として,呼吸器および循環器系疾患だけでなく,中枢神経系や生殖器系への影響についても注目されている.ディーゼル排気粒子の生殖・繁殖系への影響については,動物実験を中心に,精子産生能力の低下1),2),性成熟や血中性ホルモンへの影響3)が報告されている.我々もこれまでにディーゼル排気曝露の生殖・繁殖系への影響を評価しており,その実験では指摘されていた精子産生能力の低下は観察されなかったものの,血中性ホルモンや受胎率に影響を及ぼす可能性が示された.しかし,試験法の精度や動物の例数が必ずしも十分とは言えず,影響の有無について結論を得るには至らなかった. これらのことから,本研究では最新のディーゼルエンジン排気曝露の生殖・繁殖系への影響を評価することを目的に,胎仔・新生仔期にディーゼル排気を曝露したラットの,1)繁殖毒性(交尾率,受胎率など),2)精子産生能,3)血中性ホルモンおよび性分化・性成熟,を中心に評価した.
  • 細谷 純一, 愛 愛, 古根村 綾乃., 田村 久美子, 成田 年, 伊藤 剛
    原稿種別: 研究速報
    2013 年2013 巻1 号 論文ID: JRJ20130102
    発行日: 2013年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近年では大気汚染の健康影響として,呼吸器および循環器系疾患だけでなく,中枢神経系や生殖器系への影響についても注目されている.とくに中枢神経系への影響については,胎仔期のディーゼル排気の曝露により粒子が脳に移行すること,多環芳香族炭化水素(PAH)を含む大気の妊婦への曝露が子どもの認知機能に影響を及ぼすこと,ディーゼル粒子がドーパミン作動性神経に影響を及ぼすこと,などが指摘され,関心が高まっている.しかしながら,詳細については未だ不明な点も多い.そこで本研究では,最新ディーゼルエンジン排気の胎仔・新生仔期曝露がマウスの中枢神経系に影響を及ぼすか否かを検討することを目的に, 1)行動試験,2)脳の病理組織解析,3)脳の電子顕微鏡観察,4)脳の遺伝子発現解析,を実施した.
  • 伊藤 剛, 阿久津 康生, 古根村 綾乃, 森川 多津子
    原稿種別: 研究速報
    2013 年2013 巻1 号 論文ID: JRJ20130103
    発行日: 2013年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    大気粒子中にはさまざまな発生源に由来する物質が含まれており,既知の成分だけでなく,未知の有害成分が含まれている可能性も否定できない.また,複数の共存化学物質が相乗的に生体に影響をおよぼす可能性も考えられる.そのため大気粒子中の有害性が明らかな特定の化学成分の個別分析だけでは,大気粒子が生体におよぼす複雑な影響を推測するための情報としては必ずしも十分とは言えない. 近年,環境汚染物質の健康影響に係わる重要なメカニズムとして酸化ストレスが注目されている.生体における酸化ストレスは,気道の炎症,発がん,循環器疾患,神経変性疾患といったさまざまな疾患や,老化の原因となることが知られている.この酸化ストレスは,過酸化物が生体内に取り込まれると誘導される.これらのことから,環境汚染物質の酸化能は,酸化ストレスの誘導,さらには生体への有害性を推測するための有益な指標と考えられるようになり,ディーゼル排気粒子についても解析されている. 本研究では,大気粒子の経年変化として,大気粒子の粒径(粗大/微小),季節(夏/冬),場所(沿道/市街地)による違いを,化学分析のみならず,酸化能を指標に把握することを目的に調査を進めている.本報告では,1)大気粒子の粒径,季節,場所による酸化能の違い, 2)大気粒子とディーゼル排気粒子(Diesel Exhaust Particles:DEP)の酸化能の比較,3)大気粒子の酸化能と化学成分の関連性,について紹介する.
  • 古根村 綾乃, 阿久津 康生, 堺 温哉, 伊藤 剛
    原稿種別: 研究速報
    2013 年2013 巻1 号 論文ID: JRJ20130104
    発行日: 2013年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    酸化ストレスは生体内で生成する活性酸素種(reactive oxygen species; ROS)の酸化損傷力と生体内の抗酸化能力との差として定義される.ROSは,エネルギ生産,生体異物への攻撃,不要な細胞の処理,細胞情報伝達などに際して生産され,機能的な役割を担っている.しかしながら,生体内の抗酸化能力で対応しきれない余剰のROSの生産や,外部からの過剰なROSの取り込みが生体内の構造や機能を担っている脂肪,蛋白質・酵素や,遺伝情報を担うDNAを酸化,損傷し,生体の構造や機能を乱し,その結果,炎症,発がん,循環器疾患,神経変性疾患などのさまざまな疾患の原因となることが知られている.  大気中の微量粒子や,ディーゼルの排気粒子(DEP)など自動車排気中の粒子状物質は酸化能を有していることが知られている.Liらは大気濃縮粒子(concentrated ambient particles; CAPs)の酸化能を測定するとともに,ヒト気管支上皮細胞株にCAPsを曝露させ,抗酸化酵素ヘムオキシナーゼ‐1(heme oxygenase-1; HO-1)の産生について調べた.その結果CAPsの酸化能とHO-1産生の間には正の相関関係があり,物質の酸化能の測定から生体におけるストレス反応を推測できる可能性を示し,粒子状物質における酸化能の測定が健康影響評価において有用な情報であることを示した.  粒子状物質の酸化能の測定法はいくつか報告されているが,還元剤であるDithiothreitol(DTT)の消費量を指標とするDTTアッセイがよく用いられている.DTTアッセイは無細胞のアッセイ系で,特殊な機器を使用する必要もなく,安価で簡便に行える手法であり,物質の酸化能を評価する際に適した手法である.しかし,DTTアッセイはシンプルな化学反応を利用した試験法であるため,わずかな環境の変化による影響を受けやすく,陽性対照の設定が必要である.またDEPには酸化能に係わる複数の成分が混在しているが,通常のDTTアッセイではどの成分がどの程度酸化能に寄与しているかを把握することは不可能である.本研究では,再現性が高く化学成分の寄与を解析可能な方法を確立することを目的に,下記を検討した. 1)陽性対照の設定 2)EDTAによる金属成分に特異的な酸化能の抑制作用 3)DEPの酸化能に対するEDTAの影響 4)ZnCl2,Benzoquinone混合物に対するEDTAの作用
feedback
Top