平成23年の交通事故死者数は,4,612人となり,11年連続の減少となるとともに,昭和27年以来57年ぶりに4,000人台となった一昨年を更に下回った.また,発生件数及び負傷者数も7年連続で減少し,発生件数は17年ぶりに70万件以下となった.一方,高齢者の死者数は全体の半数を超えており,依然として高齢者への事故対策が重要である1).
著者らは,高齢運転者の事故が多い出会い頭場面に注目し,一時停止規制のある交差点に非優先側から進入する場面(以下,単に一時停止交差点と記す)での発進敢行判断の評価やフィールド調査を実施した2),3).また,前報4)では,高齢運転者の日常運転行動について調査した.一時停止交差点通過場面を解析し,優先側の交差車両に減速など回避行動をとらせた(本研究ではこれを干渉と定義する)場面の典型例として以下を抽出した.
(1)あらゆる進行方向と交差車両に対し,
・安全確認が不十分/タイミングが不適である
・交差車両が多数あり,その接近が分かっていて進入した
ために干渉した場合
(2)停止線を超えて,交差道路にはみ出して停止し,右交差車両と干渉した場合
(3)道路反射鏡で確認したにも関わらず発進し,右交差車両と干渉した場合(特に自車右折の場合)
(4)安全確認はするものの,ギャップ判断を誤り,
・自車右折の場合の左交差車両
・自車左折の場合の右交差車両
に対し干渉した場合
以上の典型例のうち,本研究では,(3)の高齢運転者の道路反射鏡の確認特性に注目した実験検討を行ったので,その結果を報告する.
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