JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2013 巻, 3 号
JARI Research Journal 2013年3月号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
研究速報
  • 羽二生 隆宏, 松浦 賢
    原稿種別: 研究速報
    2013 年2013 巻3 号 論文ID: JRJ20130301
    発行日: 2013年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    我が国における二酸化炭素の排出量のうち約2割は運輸部門から排出されているため,二酸化炭素低減対策の一つとして,自動車の燃費向上が期待されている.現在,自動車の燃費は,国土交通省審査値としてJC08モード走行時の値がカタログなどに表示されている.この燃費は,シャシダイナモメータ上において,試験法で定められた走行パターンを一定条件(標準大気状態,エアコンや電気デバイスの不使用など)のもとで走行して測定している.このため,走行条件(気象,渋滞など)や運転条件(急発進,エアコン使用など)が異なる実際の走行時の燃費値と差異が生じる場合があることが知られている.なかでも,自動車におけるエアコンの使用は,燃費に影響を及ぼすと考えられることから,各研究機関などからエアコン使用の影響が報告されている.しかしながら,いずれの調査結果も,特定の条件でエアコン使用と不使用時の燃費比較にとどまり,外気環境やエアコン設定条件などを変化させて,その影響を体系的に整理している報告例は少ない.  本報告では,エアコンを使用した場合の自動車の燃費をシャシダイナモメータ上で公平に再現良く測定する方法を検討するため,実験室環境条件およびエアコン設定条件を変化させてエアコン使用時の燃費を測定し,エアコン不使用時の燃費との比較などからエアコン使用時の燃費への影響を体系的に整理した.
  • 伊藤 大輔, 加藤 良祐, 鮏川 佳弘, 江島 晋
    原稿種別: 研究速報
    2013 年2013 巻3 号 論文ID: JRJ20130302
    発行日: 2013年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近年,プリクラッシュフェーズ(衝突直前)の状態を考慮した衝突における乗員保護装置の効果評価について議論されるようになってきた1)~3).衝突直前に見られる回避行動の例としてブレーキ操作が挙げられるが,ブレーキ制動による急減速により,乗員が前方へと移動することが予想される.このようなプリクラッシュフェーズを伴う衝突において,シートベルトなどの拘束装置の性能を評価するためには,衝突試験用ダミー(以下,ダミーとする)の低衝撃時における前屈特性を人間に近づける必要があると考える.著者らは既報において,ダミーの腰部を構成するゴム製ランバーを削ることでダミーの前屈特性の改良を行った4), 5).実験では,低衝撃スレッド試験によるダミーの前屈挙動が,同じスレッドを用いて実施した志願者実験の結果に近づくように,ランバーの形状を変更した.しかしながら,ランバー改良による調整では上半身の前屈量について検討しており,時刻歴については十分に検討されていなかった.また,前屈挙動に影響をおよぼすと考えられる腹部インサートについては未検討であった.  本研究では,衝突試験用ダミーの前屈特性の基礎データを取得することを目的として,ランバーと腹部インサートがダミーの前屈特性へおよぼす影響について静的曲げ試験を実施することで検討した.
技術資料
  • 中嶋 太一, 山崎 邦夫, 小野 古志郎, 角谷 佳治, 澤田 正英
    原稿種別: 技術資料
    2013 年2013 巻3 号 論文ID: JRJ20130303
    発行日: 2013年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    死傷者数低減のための様々な安全対策などにより,近年の交通事故による死亡者数は年々減少傾向にあり,2012年には61年ぶりに4,500人を下回った.また,交通事故による負傷者数についても,ここ数年は減少傾向にはある.しかしながら,交通事故における負傷者数は,依然として850,000人を超えている.交通事故に占める追突事故の割合は全体の約3割であり,最も多い事故類型となっている.年次推移をみると,追突事故件数は1980年代において100,000件程度で推移していたが,1995年には200,000件程度まで増加し,2000年には276,000件に達した.その後,2001年から2006年までの間,毎年280,000~290,000件程度発生している.2005年から2007年までの3年間は前年を下回る件数となっているが,230,000件を超えており,未だに高い水準で推移している1).さらに,追突事故による負傷者の約9割は,軽傷の頚部傷害を負っており,近年,追突事故による後遺障害者数が増加傾向にあることが報告されている2).追突による頚部傷害は,その発生頻度と予後に発生しやすい後遺障害等の社会的損失の観点から,諸外国においても重要な課題となっており,追突時の頚部傷害低減に向けた検討が国際的に進められている.現在では,UN ECE WP29/GRSP /GTR7において,国際的に統一されたヘッドレストの要件,ならびに試験方法が検討されており,種々の議論がなされている. これらの背景を踏まえ,追突事故の発生状況を把握するため,ITARDA交通事故統計データベース(以下,マクロ事故データと称す)をもとに,追突事故の全体概要と事故発生状況の年次推移,乗員の傷害程度と損傷主部位との関係を分析した.また,衝突状況と後遺障害の関係について,被追突運転者に後遺障害が発生した事故における危険認知速度差(=(追突車の危険認知速度)-(被追突車の危険認知速度))などを分析した.さらに,日本からUN ECE/WP29/GRSP/GTR7に提案している頚部傷害指標の妥当性を検討するため,自動車アセスメントの後面衝突頚部保護性能試験において,試験が行われた車両が関与した追突事故についても調査を行い,頚部の傷害発生率と試験結果との相関について分析した.
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