現行の歩行者保護試験用脚部衝撃子(フレキシブル脚部衝撃子やEEVCリジット脚部衝撃子)は,歩行者の脚部単体のみを模擬し,歩行者が車両と衝突した際の脚部傷害発生の可能性を評価しようとするものである.しかし,上記のような衝撃子は,バンパの高さが高い車両(高バンパ車両)に対する試験では,脚部傷害発生の可能性を正しく評価できないとされている.これは,高バンパ車両との衝突では,歩行者の上体部の有無が脚部の傷害発生メカニズムに大きく影響すると考えられているためである1), 2).しかし,同影響について詳細に解析した例は少ない.このような状況から,本研究では,現状の試験法で対応が可能とされてきた低・中バンパ車両に加え,高バンパ車両にも対応可能な脚部試験法を検討することとした.本報では,同検討の第一段階として,歩行者の上体部の影響について,人体有限要素モデルを用いたコンピュータシミュレーションにより詳細に解析した.
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