JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2013 巻, 8 号
JARI Research Journal 2013年8月号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
研究速報
  • -湿度変化によるセルの応答性評価-
    橋正 好行, 北園 智美, 沼田 智昭
    原稿種別: 研究速報
    2013 年2013 巻8 号 論文ID: JRJ20130805
    発行日: 2013年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    燃料電池自動車の普及のためには,燃料電池本体の性能・耐久性の向上,コスト低減などの課題がある.これらの課題を解決するためには既存の材料を超える性能と耐久性,さらには低コストな燃料電池材料を開発する必要がある.しかし,新規材料の性能や耐久性を評価する共通の方法がないため,各機関で個別の方法を適用して開発材料が評価されている場合が多い.自動車用燃料電池における膜/電極接合体(Membrane Electrode Assembly,以下「MEA」という)の劣化現象を再現させてその耐久性を把握する観点から,FCCJ(燃料電池実用化推進協議会),DOE(US Department of Energy)などから単セルによるMEAの耐久性評価法(MEA耐久評価プロトコル)が提案されている1)~5).しかし,これらの評価方法の中には試験条件が異なる場合があるため,この違いが評価結果に及ぼす影響を把握し,評価の妥当性や評価手法の統一に資するデータを取得することが必要である.一般財団法人日本自動車研究所(以下,「JARI」という)ではJARI標準セル6)を用いてMEAの耐久評価7)~8)を行い,評価法策定のための取り組みを行っている.  ここでは,電解質膜の機械的耐久性を評価するために実施されている湿度サイクル試験について,供給ガスの湿度変化に対する評価用セルの応答性を調査した結果について報告する.
技術資料
  • 菊地 一範, 佐藤 健治, 本間 亮平, 田川 傑
    原稿種別: 技術資料
    2013 年2013 巻8 号 論文ID: JRJ20130801
    発行日: 2013年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    事故相手の車両や歩行者などの発見遅れに起因した事故が多いといわれている1).これらドライバの認知ミスに起因した事故の原因を解明するにあたっては,ドライバが周囲環境に適切に注意を払えていたのか,すなわち危険因子に気付くことができたのかを知ることが重要である.また認知ミスの事故を予防すべく,衝突警報などのドライバを支援する警報や情報提供装置が実用化されている2),3).今後,新たな支援システムが実用化され,導入される際には,支援を受けたドライバが適切に注意を払えるようになるのか否かの効果を確認すると同時に,支援対象に必要以上の注意を払うようになってはいないかといった負の作用について,支援があったことによる行動変容を評価しておく必要がある.過去の事故原因解明や行動変容評価においては,視認行動(注視位置解析)を指標とした注意の検討もみられるものの,ドライバの運転行動(ブレーキ操作など)から,間接的にドライバの注意に言及している例が多い.そこで著者らは,今後の事故原因の解明および対策の提案や,行動変容評価に貢献することを目的として,ドライバの注意を評価するための手法を提案した4).この手法により,運転中のドライバがどこに気付きやすいのか,その気付き範囲の傾向を評価することができる.これまでには,ドライビングシミュレータ(以下「DS」と記す)を用いて,一時停止交差点での見通しの違いと気付き範囲との関係5),さらに交差車両の情報提供を行った場合にどのように気付き範囲に影響が現れるのか6)等を検討しており,事故原因解明や運転支援による行動変容評価に手法が活用され始めている.ただし,ドライバの注意は危険感と密接な関係にあることから,危険感が過小評価される傾向があるといわれているDS実験では,評価する場面によっては,気付きに関しての定量的な議論はできず,定性的な議論にとどまる可能性が懸念された.そこで,より危険感の高い実車環境で評価を行うため,(一財)日本自動車研究所(以下「JARI」と記す)で新たに開発された「JARI-ARV(拡張現実実験車)」で気付き範囲評価に必要となるデータが取得できるように改修し,テストコースにおいて実際にデータを取得した.なお,JARI-ARVは,仮想空間上に設定したオブジェクト(歩行者や車両などの他の交通参加者や建造物など)をHDカメラ映像で収録している車両前方映像に合成してドライバ前方のモニタに表示する運転装置である.本報では,気付き範囲の評価手法およびデータの取得方法を紹介する.また,JARI-ARVでの気付き範囲評価が可能であるのかを,実験データを用いて検討した結果を報告する.
  • 北島 創, 穴田 賢二, 鮏川 佳弘, 粟野 正浩, 木内 透
    原稿種別: 技術資料
    2013 年2013 巻8 号 論文ID: JRJ20130802
    発行日: 2013年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    2008年6月施行の改正道路交通法は,自動車後席乗員のシートベルト(以下,ベルトという)着用を義務づけたが1),幼児を幼稚園や保育所へ送迎するために利用されるバス(以下,幼児用バスという)の後席は,幼児の体にあったベルトがないことや緊急時に幼児がベルトを外せないことなどの懸念から装備義務の対象外である2).しかし,幼児用バスにベルトが装備されていないことを疑問視する保護者の署名活動をうけて,国土交通省は「幼児専用車ワーキンググループ」を立ち上げ,2013年3月に「幼児専用車の安全性向上のためのガイドライン」を公表した3).このガイドラインでは,短期的には幼児用座席の背部に緩衝材を追加する安全対策を推奨しているが,長期的には幼児に適したベルト開発の必要性を明記している.  そこで,本稿では,2点式や3点式などのベルトの違いが幼児のベルト装着・解離に及ぼす影響を調査するため,幼児用バスを利用する幼児によるベルト装着・解離評価実験(以下,ユーザテストという)を実施し,幼児にとって使用性の良いベルトとは何かを評価した.また,ベルトの装着によって送迎時の運行時間がどの程度影響を受けるかを,送迎を模擬する実験により調査した.
  • 鮏川 佳弘, 北島 創, 粟野 正浩, 木内 透
    原稿種別: 技術資料
    2013 年2013 巻8 号 論文ID: JRJ20130803
    発行日: 2013年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    2008年6月に施行された改正道路交通法により,自動車後席のシートベルト着用が義務化された1).しかし,幼児を幼稚園や保育所へ送迎するために利用されるバス(以下,幼児用バスという)の幼児座席については,幼児の体型にあったシートベルトがないことや緊急時の脱出が困難になることなどを考慮し,シートベルト等の拘束装置の設置を義務付けていない2).一方,各種新聞やニュースで幼児用バスにシートベルトの装備が無いことが取り上げられ,幼児用バスにもシートベルトの着用を義務化して欲しいという要望のための署名活動が展開された.  これらの声を受け,国土交通省は2012年7月に幼児用バス乗員の安全性を議論するための「幼児専用車ワーキンググループ」を立ち上げた.このワーキンググループでは,幼児用バスの事故実態を踏まえたハード面,ソフト面の対策を幅広い観点で議論し,幼児用バスの安全対策の方向性を提言するためのガイドラインをまとめることが目標とされた3).  一般社団法人 日本自動車工業会では,2009年から幼児用バス乗員(幼児)の安全性を確保するための研究を当研究所に委託した.本稿では,この研究の一環として行った事故分析結果と幼児用バスを利用している園職員や園児保護者を対象としたユーザーアンケートの結果について報告する.
  • 鮏川 佳弘
    原稿種別: 技術資料
    2013 年2013 巻8 号 論文ID: JRJ20130804
    発行日: 2013年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    自動車安全技術の向上,取り締まりや罰則規定の強化などにより,交通事故件数は減少傾向にある.また,救急・救命医療の技術発展やドクターヘリの導入を含む救急搬送体制の充実が交通事故時の被害軽減(拡大防止)に大きく貢献している. しかし,複数のエアバッグを搭載した車両の増加や,大型車用非常ブレーキ(スプリング・ブレーキ)の普及など,交通事故救助に携わる消防隊員はこれまで以上に高度な自動車知識が必要になっており,一旦大事故(高エネルギー衝突事故)が発生すると,救助時間が長くかかる恐れがある.また,近年の交通事故救助は,「救助活動を必要としない事故」と「救助時間が長くかかる事故」に二極化してきている1). この状況から,筆者は一般社団法人日本自動車工業会(自工会)からの研究委託を受け,2008年度から「自動車乗員の救出性向上に関する研究」を開始した.この研究では, (1)交通事故の救助実態の分析 (2)大型車事故の救助方法の検討と検証 (3)大型車事故に関する救助ガイドの作成 を行った.なお,救助方法の検証では,当研究所と自動車等に関する災害対策に関する協定を結んでいるつくば市消防本部の協力を得て,実証実験を行っている. 本稿では,日本における交通事故時の救助実態について紹介するとともに,作成した救助ガイド「大型車事故に関する救助ガイド」の概要を説明する.さらに,日ごろ救助活動に従事されている救助隊員等に大型車事故の救助活動等に関するアンケート調査を行ったので,この結果についても紹介する.
解説
  • 富岡 秀徳
    原稿種別: 解説
    2013 年2013 巻8 号 論文ID: JRJ20130806
    発行日: 2013年
    公開日: 2025/12/18
    研究報告書・技術報告書 フリー
    燃料電池自動車(FCV)用の燃料仕様の国際標準化については,2003年より活動を開始し,国際間の研究協力を通じ国際規格(International Standard: IS)発行を目指して進めてきた.2003年10月にFCV用の燃料仕様に関する日本提案が承認され,日本より議長(高木靖雄名誉教授/東京都市大学)を選出し,ISO/TC197(水素技術)/WG12(FCV用水素燃料仕様)が発足した.この提案は,NEDO事業にて,一般財団法人日本自動車研究所(JARI)が実施した水素燃料中の不純物の燃料電池に及ぼす影響について検討した試験結果1) を基に作成されたものである.参加各国の熱心な審議を経て,2008年3月に技術仕様書(Technical Specification:TS)が発行され,さらに,各国との研究協力,国際審議の結果,2012年12月にISの発行に至った.  本解説では,TS及びIS発行に至る経緯に触れ,その審議の動向,進捗について述べるとともに,その後のIS改定に向けた取り組みについて概説する.
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