JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2014 巻, 12 号
JARI Research Journal 2014年12月号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
研究速報
  • 松田 佳之, 中村 慎二郎, 鶴見 直美, 清水 貴弘
    原稿種別: 研究速報
    2014 年2014 巻12 号 論文ID: JRJ20141203
    発行日: 2014年
    公開日: 2025/12/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    2014年度からの市販化が予定される燃料電池自動車(FCV)の普及に向け,低廉で高品質な燃料供給が重要である.FCV用の水素品質規格は2012年に水素中不純物の許容濃度が規定されたISO14687-2として発行された.不純物の許容濃度は触媒量低減や運転条件の変更など,燃料電池の開発動向に合わせた見直しが必要であり,次期規格改訂の準備が進められている.  一酸化炭素(CO)は水素中不純物のうち,一定電流条件で燃料電池の発電性能に対する影響が大きい.またCOは水素ステーションでの実測値とISO14687-2における許容濃度(0.2 ppm)が近いケースもある.自動車用燃料電池では,負荷変動や起動停止などの運転状態の影響も考慮する必要がある.COによる発電性能への影響は,負荷変動中では一定電流条件に比べて電圧低下が軽減されることがわかっているが,起動停止条件の影響は不明である.発電を停止してガス供給を遮断すると,アノード / カソードのガスが互いに拡散する.このうち酸素がアノードに透過したとき,CO被毒回復することが期待できる.そこで本研究では,次期規格改訂に向けたCOの許容濃度見直しの議論に活用するため,燃料電池停止時の透過酸素によるCO被毒回復挙動を把握した.
  • 冨田 幸佳, 森川 多津子
    原稿種別: 研究速報
    2014 年2014 巻12 号 論文ID: JRJ20141205
    発行日: 2014年
    公開日: 2025/12/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    一般財団法人日本自動車研究所では,2010年度から2014年度の5か年にかけ,自動車起因の大気汚染物質濃度および道路交通騒音による,心血管系疾患への健康影響を疫学的見地から明らかにする研究を実施している.研究デザインは,東京都葛飾区の65歳以上の高齢者3,000名を対象として質問票調査を実施し,推計した住宅屋外の環境レベル(大気,騒音)と,心血管系疾患の有症率との関連性を統計学的に解析・評価するものである.  この研究では自動車起因の大気汚染物質(NOx,SPM,PM2.5,PM2.5中のEC)の曝露濃度を必要とするが,そのためには葛飾区全域の南北10km~東西5kmの範囲内に居住する対象者の,一人ずつの居住地点における年平均の曝露濃度を推計しなくてはならない.わが国で比較的広範囲の道路沿道を対象とした疫学研究の代表的なものとして,環境省が2005~2010年度に実施した「局地的大気汚染の健康影響に係る疫学研究」(そらプロジェクト)があげられる.このとき大気汚染物質の曝露濃度推計には,環境アセスメントに用いられる正規型プルームモデルと独自に開発した拡散モデル(MCAD)を組合せて推計した気流場と,環境省の排出ガス原単位および交通センサスベースで推計した自動車排出ガス量が主に用いられていた.  しかしながら,MCADのプログラムソース公開は2012年度以降であり,建築物等の詳細な構造データが必要なことなど,データ入手や計算資源の面での制約が大きかった.そのため本研究では,気流場の推計には正規型プルームモデルである産総研-曝露・リスク評価大気拡散モデル(AIST-ADMER)ver.2.5を用いた.自動車排出ガス量の推計にはそらプロジェクトと同様の手法を用い,AIST-ADMERの最小解像度約100m×100mに合わせ構築した.  本報告では,対象地域の自動車排出量データの作成手法とAIST-ADMERによる大気汚染物質濃度推計の手法の詳細と,得られた結果および課題について述べる.
解説
  • 高橋 雅子
    原稿種別: 解説
    2014 年2014 巻12 号 論文ID: JRJ20141201
    発行日: 2014年
    公開日: 2025/12/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    日本自動車研究所(JARI)における電動車両(EV)用電池および充電に関連する国際標準化活動については,本ジャーナルで何度か概要を紹介してきた.今回は,2014年の主な進捗について,日本提案を中心に簡単に紹介する.ここで言う日本提案とは,JARIの電池標準化WG及び電池充電標準化WGにおいて国際規格案を作成し,IEC(International Electrotechnical Commission)において議長国として国際審議を主導してきた国際規格案を言う.
  • 渡辺 知絵
    原稿種別: 解説
    2014 年2014 巻12 号 論文ID: JRJ20141202
    発行日: 2014年
    公開日: 2025/12/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近年,地球温暖化などの環境問題や,ガソリンの原料となる化石燃料の枯渇傾向などの背景から,電動車両(以下EV)への期待が世界的に高まっている.現在市場に出ているEVには,エンジンと回生エネルギを溜めた蓄電池でモータを駆動させるハイブリッド電気自動車(HEV),蓄電池からの電力を用いてモータのみで駆動するバッテリ電気自動車(BEV),HEVの拡張版でBEVにエンジン駆動を組み合わせたプラグインハイブリッド電気自動車(以下PHEV)などがある.HEVを除く,外部から充電されたエネルギで走るBEVやPHEVは,家庭や職場の駐車場で充電ケーブルを電源と車両に接続して充電を行う必要があるが,ケーブルによってはかなり重いものもあり,女性や高齢者には片手で作業しづらく,屋外での作業の為夜間では見えにくい,悪天候の状況下では濡れたり手や衣服が汚れてしまうなど充電作業の不便が想定されるようになってきた.  EV普及の課題は,蓄電池の低コスト化や,航続距離を延ばすためのエネルギ密度の向上等があげられているが,もうひとつの鍵がこの充電技術とも言われている.ケーブルを用いる充電インフラは,EVと共に普及・実用化され,国際標準化の整備も進められているが,依然コネクタ形状が多種多様あることに加え,充電作業の煩わしさなど操作性の観点から改善の余地が大きいことが認識されている.その課題を改善する技術として現在注目が高まってきているのが,非接触電力伝送システムである.本稿では,EV用非接触電力伝送システムの国際標準化と開発の動向について解説する.
研究活動紹介
  • 伊藤 晃佳
    原稿種別: 研究活動紹介
    2014 年2014 巻12 号 論文ID: JRJ20141204
    発行日: 2014年
    公開日: 2025/12/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    平成25年(2013年)1月に,中国都市域における微小粒子状物質(PM2.5)汚染や国内への越境流入について報道などで大きく取り上げられ,それ以来,大気汚染に対する国民の関心が高まった.現状の大気汚染に関して,PM2.5をはじめとする主要な大気汚染物質には,大気環境基準が定められているが,PM2.5の大気環境基準を達成している局数は,全国の約3~4割程度(平成24年度)にとどまっており,さらなる改善が必要な状況である.PM2.5以外にも,光化学オキシダント(光化学スモッグの原因物質)の大気環境基準達成局数は,全国の1%未満という状況が継続しており,依然として極めて低い水準となっている.  公益社団法人大気環境学会は,昭和34年(1969年)12月に設立され,大気環境に関する学術的な調査・研究を総合的に実施している学会の一つである.大気環境学会では,年に1回,年会(研究発表会)が開催されており,毎年350件程度の研究が報告されている.表1に,過去4年間の年会の会期・場所・発表件数について示している.  年会では,講演要旨集として,全発表の要旨(A4版1ページ)が掲載されている冊子が製作される.これら年会要旨は,必ずしも学術的な査読プロセスを経ているものではないものの,論文化される前の研究についての情報が比較的多く,大気研究の最新動向を把握するには適切な情報源の一つとなっている.  そこで本稿では,過去4年分の大気環境学会年会講演要旨集に掲載されている情報を集約し,発表内容別の発表件数の推移を調査することで,最近の大気研究の傾向について把握した.また,平成26年(2014年)の年会講演要旨集から,最新の研究トピックについてまとめた.
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