JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2014 巻, 8 号
JARI Research Journal 2014年8月号
選択された号の論文の1件中1~1を表示しています
研究速報
  • 萩野 浩之
    原稿種別: 研究速報
    2014 年2014 巻8 号 論文ID: JRJ20140801
    発行日: 2014年
    公開日: 2025/12/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    大気環境における微小粒子状物質(PM2.5)は環境基準が達成されていない大気汚染物質の一つである.大気汚染防止の一環で,自動車排出規制が厳格化されており,自動車から排出される一次粒子は主にディーゼル粒子フィルタ(DPF)などによる低減対策が行われている.DPFは,エンジンから排出される粒子を酸化触媒とセラミック製フィルタにより除去するものである.エンジンから排出される粒子の性状を理解することは,これら浄化技術の性能に関わる情報を得ることになる. エンジンから排出される粒子は,主に炭素成分から構成されており,有機炭素(OC)と元素状炭素(EC)に大別できる.OCは,有機化合物(C,H,Oなどを含む)の炭素(C)のみを計測しており,ECは概ねCのみから構成されるが,生成過程におけるグラファイト構造の成熟さによって,官能基(COOH,OH,芳香族など)や二重結合を持った超分子構造をとることがある.ECは燃焼しにくく,加熱過程における燃焼特性や耐熱性といった情報を得ることは,排出ガス後処理装置の性能向上,酸化触媒代替品の性能確認,長期安定性に関する予備知識として有益である. 本研究では,フィルタに採取した自動車排出粒子に対し,熱光学式炭素分析計を用いた熱分離分析を行うことで,粒子状物質の熱特性を測定する方法を検討した.この方法では,各温度で燃焼した炭素量を測定することで熱特性を把握できると同時に,試料の黒色度をモニターすることが,汎用的な熱分離分析装置と大きく異なる.これにより,試料中のOCが炭化しECに変化する状況,もしくはECが共存する金属酸化物などにより燃焼する過程をモニターすることが可能となる.また,ガス雰囲気を無酸素もしくは有酸素で切り替え,炭素成分の熱耐久性を把握することを可能にした.
feedback
Top