20世紀におけるグローバルな産業・技術および経済の発展と人口増加に伴い,自動車の使用台数も爆発的に増加し,それに伴い自動車からの排出ガスが大気汚染をもたらした.自動車の排出ガスは,1960年の米国加州を皮切りに米欧日で規制が始まり,近年は2004年米国のTier 2,2009年欧州のEURO 5,2009年日本のポスト新長期規制など,規制開始当初の1/100前後のレベルまで強化された.結果,これら規制が行われた多くの国々や地域において,大気環境の劇的な改善が見られつつある.
一方,自動車の燃費については,1973年と1979年の2度のオイルショックを経て,化石燃料枯渇防止やエネルギーセキュリティの観点から規制が導入された.さらに,化石燃料の消費に伴う二酸化炭素(CO2)の生成が地球温暖化の主要因とみなされ,1997年の地球温暖化防止会議(COP3)では京都議定書が採択されるなど,自動車のエネルギー効率向上あるいは脱化石エネルギーが大きな課題となっている.
自動車メーカ各社は,自動車を21世紀に生き残らせるために,ここに挙げた大気汚染防止,エネルギーセキュリティ確保およびCO2低減の課題に対応していくことが必要と考え,電気自動車(BEV),ハイブリッド電気自動車(HEV)および両者の中間的な特性を有するプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)を精力的に開発している.本稿は,これら電動車両の歴史と開発動向について述べる.
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