JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2015 巻, 5 号
JARI Research Journal 2015年5月号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
研究速報
  • 山田 英助
    原稿種別: 研究速報
    2015 年2015 巻5 号 論文ID: JRJ20150501
    発行日: 2015年
    公開日: 2025/12/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    誰でも無償で利用できるフリーソフトウェアは,専門性の高い科学技術計算の分野でも多用されている.それらの多くは,ソフトウェアの設計図であるコードが公開されたオープンソースソフトウェア(OSS)でもあり,能力があれば誰でも改変が可能である.最も有名なOSSであるLinuxは,改変および派生しながら世界中に普及しているオペレーティングシステム(OS)であり,科学技術計算に利用されることの多いスーパーコンピューター(スパコン)の基盤システムとしても運用されている.計算速度の世界上位500位までの9割以上のスパコンのOSとしてLinuxは利用されている. 数値流体力学(CFD)の分野で有名なOSSとして有限体積法をベースとしたOpenFOAMがある.燃焼反応を含む複雑な三次元の流体解析など汎用性の高い利用が可能である.コードはオブジェクト指向型言語のC++で構築されており,内容の理解および改変が容易になっている. 有限要素法をベースとした流体,構造,電磁気,熱伝導,音響などの物理現象を解析するOSSとしてElmerが有名である.ソルバー部分はFortranで主に開発されているが,Graphical User Interface(GUI)も同時に開発されており,ユーザーの利便性も考慮されている. OpenFOAMやElmerなどで解析した結果は,適切に可視化することで理解が深まる.この重要な可視化の処理を実行できるOSSとしてParaViewが有名である.並列処理により巨大な3次元データの可視化が可能で,大規模並列計算の結果処理に貢献している. 他にも様々な科学技術計算用の優れたフリーソフトウェア,OSSが研究開発され,CAE(コンピュータ支援工学)で利用されている.現在は,OSを含めた科学技術計算に必要なソフトウェアをすべて無償で準備することも十分可能であり,CAEに関する費用を大幅に抑制することができる.コードが公開されているため,解析手法などの学術的な議論にも明確な判断がOSSでは可能で,商用ソフトウェアとは違った利用価値が提供される. 流体現象を非圧縮性とみなせる速度域(音速の約0.3倍以下)における火災現象を有限差分法(放射モデルは有限体積法)ベースで解析するOSSとしてFire Dynamics Simulator(FDS)が開発されている.直行格子のみしか扱えないので,複雑な形状を模擬することは出来ないが,火災による物体の消失や煙の挙動などが容易に模擬できる.また,専用の可視化ソフトウェアSmokeviewが,FDSの利便性を高めている.OpenFOAMやElmerのように汎用性は決して高くないが,火災現象の解析には有効なソフトウェアである.本研究では、FDS(Ver. 6.1.2)を利用して火災現象を模擬し,安全な試験手法の判断にFDSが活用できるかを調査した.
技術資料
  • 金成 修一
    原稿種別: 技術資料
    2015 年2015 巻5 号 論文ID: JRJ20150502
    発行日: 2015年
    公開日: 2025/12/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    近年,ASEAN地域では急激な経済成長により,大気汚染や地球温暖化,エネルギセキュリティなどが問題となっている.自動車部門においても対策を早期に行う必要があり,その対策として,交通流対策,ITS技術普及,代替燃料導入などがあるが,最も有効な施策として,燃費改善技術の導入や次世代車の普及が挙げられる.これらの施策について有効性を評価する必要があるが,その評価には長期的な費用対効果を考慮した手法が必要である.しかし,現状では各機関が独自の手法で分析を行っており,分析地域や分析対象が限定されていること,分析に必要な前提条件や手法が明示されていないなどの課題がある. 本研究では,筆者らが将来の自動車技術進化などを考慮した日本の乗用車部門における長期CO2排出量モデルCAMPATH1)をベースに,ASEAN10ヶ国(インドネシア,カンボジア,シンガポール,タイ,フィリピン,ブルネイ,ベトナム,マレーシア,ミャンマー,ラオス)における乗用車および二輪車部門に適用可能なCO2排出量モデルを開発した.さらに,モデルの実用性を検討することを目的として,本分析で定めた技術現状ケース(BaUケース)と,現在,分析で想定した従来車の燃費改善技術が全て導入した技術進化ケースの2ケースにおいて,2050年までのシナリオ分析を行い,各ケースについて,車両台数,燃費,CO2排出量について検討を行った.
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