JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2015 巻, 9 号
JARI Research Journal 2015年9月号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
研究速報
  • -WHVC負荷補正方法が排出ガス試験値へ与える影響の調査-
    黒川 陽弘, 森田 賢治
    原稿種別: 研究速報
    2015 年2015 巻9 号 論文ID: JRJ20150901
    発行日: 2015年
    公開日: 2025/12/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    日本では,ハイブリッド重量車の排出ガス試験法として,2007年より,ハイブリッドシステム電子制御ユニット(ハイブリッドECU)と車両モデルを用いてエンジン試験サイクルを作成するHardware In the Loop Simulator(HILS)試験法(国土交通省通達の技術指針「国自環第281号および第282号」)が運用されている.このHILS試験法を基にして,UN/ECE/WP29/GRPE傘下のHeavy Duty Hybrids Informal Group meeting(HDH-IG)では,2012年よりハイブリッド重量車の排出ガス試験法の世界統一基準(gtr)化について議論が進められ,2015年3月に採択された.  gtr化に際しての主要な課題のひとつが試験サイクルであった.従来型重量車の過渡モードの排出ガス試験サイクルとしては,世界統一試験サイクルであるWorld harmonized transient cycle (WHTC)(gtr No. 4)が採用されている.しかし,HILS試験法は過渡モードのエンジン試験サイクルを車速パターン,勾配および車両諸元(車重・トランスミッション(T/M)仕様等)を入力条件として,ハイブリッドECUと車両モデルを用いてシミュレートする車両ベースの試験法であるため,車速パターン,勾配および車両諸元を有しないエンジンベースの試験サイクルであるWHTCはそのままでは適用できない問題があった.そのため,WHTC作成時に規定されたWorld harmonized vehicle cycle (WHVC)(車速と出力のパターンで構成されている世界統一車両サイクル)の車速パターンをHILS試験法における試験サイクルとして採用することになった.WHTCとWHVCでは正側仕事の積算値(以降、累積正側仕事という)が異なるため,HILSでシミュレートする際に勾配を設定するか車両重量を変更することでWHTCとWHVCの累積正側仕事の整合を図る方法(以降、WHVC負荷補正方法という)について,日本および欧州が中心となり検討を行った.また,WHVC負荷補正方法では,累積正側仕事だけでなく,WHVCの排出ガス試験値をWHTCの値に近づけることも考慮した.  本研究では,試験法開発の過程の中で,日本およびHDH-IGの委託研究先であるウィーン工科大学/グラーツ工科大学(以降,大学という)より複数提案のあったWHVC負荷補正方法が,排出ガス試験値へ与える影響をエンジン単体排出ガス試験により確認し,WHVC負荷補正方法を作成する際に考慮すべき要因を明らかにしたので報告する.
  • 高橋 昌志, 前田 清隆
    原稿種別: 研究速報
    2015 年2015 巻9 号 論文ID: JRJ20150902
    発行日: 2015年
    公開日: 2025/12/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    リチウムイオン電池は,例えば取り扱いを誤り,過充電,過放電,外部短絡といった状況になった場合には,電池内部で自己発熱反応が起こり,最終的には熱暴走に至る可能性がある.通常,リチウムイオン電池を使用する場合には安全装置を内蔵した電池を使用したり,制御系統に保護回路を設けて,そのような事態が発生することを未然に防いでいる.しかし,2006年頃に多数発生したノートパソコンや携帯電話向けリチウムイオン電池の発熱・発火事故の原因となった,微小金属粉の混入や集電体の折れ曲がりによる内部短絡は,安全装置や保護回路が正常に作動していても防ぐことのできない事象である.  このような保護回路等で防ぐことができない内部短絡に対して,安全性を確保する目的で作られた試験法がJIS C8714(携帯電子機器用リチウムイオン蓄電池の単電池及び組電池の安全性試験)に規定されている単セルの強制内部短絡試験である.本試験の要求事項は発火が無いこととなっている.また,JIS C8714をベースとして,国際標準であるIEC 62133 Ed. 2.0(携帯電子機器用蓄電池の安全性試験)にも強制内部短絡試験が規定されている.ただし,本試験法の適用を承認したのは,日本,フランス,韓国,スイスの4カ国である.さらに,携帯電子機器用よりも大きな産業用リチウムイオン電池に関しても,JIS C 8715-2(産業用リチウム二次電池の単電池及び電池システム-第2部:安全性要求事項)に同様の試験法である耐熱暴走特性の耐内部短絡特性試験が規定されている.また,JIS C 8715-2では耐内部短絡特性試験と並列で,電池システムによる耐類焼特性試験が規定されており,どちらかの試験を実施すれば良いこととなっている.耐類焼特性試験の要求事項としては,電池システムの外装に発火または破裂が無いこととなっている.  一方,自動車用リチウムイオン電池に関しては,2013年に電動車両の電池パックが溶損および発火する不具合が発生した.原因は,検査工程での落下・衝撃に起因する電池内部の部品や不純物(金属片)による内部短絡が原因であると報告されている.自動車用リチウムイオン電池でも携帯電子機器用や産業用と同様に内部短絡が発生するリスクがあることから,関連する規格に内部短絡試験を規定するための検討が行われている.  そこで,本報では種々の内部短絡試験方法に関して調査したので,その結果を報告する.
解説
研究活動紹介
  • 中村 英夫, 後呂 考亮
    原稿種別: 研究活動紹介
    2015 年2015 巻9 号 論文ID: JRJ20150905
    発行日: 2015年
    公開日: 2025/12/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    ヒューマンエラーに起因した交通事故の低減,移動手段としての利便性向上,周辺車両との協調制御による渋滞緩和,輸送効率向上や不必要な加減速の抑制による自然環境への負荷低減などを目的に,高度運転支援システム(特に自動運転システム)が,幅広くグローバルに研究開発されている.周辺監視義務を含む運転主権の所在によって,自動運転システムがレベル定義されている.NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration )やSAE(Society of Automotive Engineers)のレベル定義にもとづいたレベル定義をTable 1に示す.レベル1やレベル2では,運転主権をドライバが有しており,高速道路での定速走行・車間距離制御(Adaptive Cruise Control),車線逸脱防止システム(Lane Keep Asist System)など既に個社で製品開発が実施されている.一方,レベル3以上になると,少なくとも平常時は運転主権をシステムが有しており,大きな技術革新と社会ルール整備(法規や保険など)が必要とされる.  将来的に想定される自動運転システム(レベル3以上)は,周辺監視義務をシステムが有するので,周辺環境認識において極めて高い性能と,自然環境変化に対するロバスト性が求められる.これらを,量産可能なレベルで小型かつ安価に実現できる技術は世界にまだ存在していない.そこで,必要な性能を見極めつつ,原理確認,詳細設計,試作および実証までを含めた研究が,産官学が連携した協調領域として,経産省からの受託事業(次世代高度運転支援システムの研究及び実証)の中で実施されている.一般財団法人日本自動車研究所(JARI)は,中立,公平な立場を生かして,本事業を中核として推進している.本稿では,平成26年度成果の概要を紹介する.
  • 黒瀬 明光, 野本 和則
    原稿種別: 研究活動紹介
    2015 年2015 巻9 号 論文ID: JRJ20150906
    発行日: 2015年
    公開日: 2025/12/11
    研究報告書・技術報告書 フリー
    2014年の全国の交通事故死者数は4113人で14年連続で減少となった.政府は「2018年度を目処に交通事故死者数を2500人以下とし,2020年までには,世界で最も安全な道路交通社会を実現する」ことを掲げている.  既に研究開発や実用化が進められているカメラやレーダー等による周辺環境認識技術を用いた安全運転支援システムから自動走行システムの実用研究開発に向けては,更なる性能向上や信頼性向上等が望まれており,カメラやレーダー等による周辺環境認識技術の発展が欠かせない.その開発には,カメラやレーダー等による様々な走行シーンデータを整備した「走行映像データベース」の構築が求められている.  一般財団法人日本自動車研究所(JARI)では,戦略的イノベーション創造プログラム(SIP:Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program)自動走行システム研究開発計画にあげられたセンシング能力の向上技術開発と実証実験テーマ(企画競争募集)を受託した.走行映像データベースの構築技術の確立を目標に2014年度から研究開発を開始し,本稿ではその概要を紹介する.
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