JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2016 巻, 5 号
JARI Research Journal 2016年5月号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
研究速報
  • 清水 貴弘, 松田 佳之, 橋正 好行
    2016 年2016 巻5 号 論文ID: JRJ20160501
    発行日: 2016年
    公開日: 2025/11/06
    研究報告書・技術報告書 フリー
     エネルギーコストや地球温暖化問題への対応のため,水素社会実現に向けた取り組みが進められている.水素の利活用技術として期待される燃料電池自動車(FCV)では,固体高分子形燃料電池(PEFC)が使用される.2014年にはFCVの市販が開始されたが,広範な普及にはPEFCの耐久性・信頼性・コストなどの課題があり,解決が望まれている.これらの課題を踏まえ,将来の膜電極接合体(MEA)の発電環境や材料の目標性能実現に沿った研究開発を推進するため,燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)により耐久性評価試験プロトコル(FCCJプロトコル)が提案された.  NEDO事業「セル評価解析の共通基盤技術」(セル評価プロジェクト)では,FCCJプロトコルに準拠した耐久性評価試験プロトコル(セル評価解析プロトコル)を設定し,JARI標準セルおよびセル評価プロジェクト標準MEAを用いた耐久性評価試験を実施してきた.どちらのプロトコルにおいても,PEFC構成材料の耐久性を評価するためには,終了判定に到達したか確認するために定期的に試験の途中で診断試験(途中診断)を実施することが必要である.本報では,電解質膜の耐久性評価試験である高電位保持試験(OCV試験)を行い,途中診断が耐久性に及ぼす影響を把握することを目的とした.
  • 伊藤 剛, 村木 直美, 田村 久美子
    原稿種別: 研究速報
    2016 年2016 巻5 号 論文ID: JRJ20160502
    発行日: 2016年
    公開日: 2025/11/06
    研究報告書・技術報告書 フリー
    ディーゼル排気粒子(DEP)が喘息におよぼす影響についてはこれまで数多く報告されている.呼吸により気道に取り込まれたDEPは上皮細胞やマクロファージなどの気道を構成する細胞に作用し,抗体産生増加,炎症細胞の活性化/遊走等を介し,喘息の発症・増悪を促すことが報告されている.また,喘息発作時の気道閉塞において重要な役割を担っている気管支平滑筋に対するDEPの影響については,アセチルコリンによる気管支収縮反応の亢進(気道過敏性)に関する研究が報告されている.その一方で,近年では気管支平滑筋細胞が炎症性サイトカインやケミカルメディエーター等を放出することにより,喘息に悪影響をおよぼすメカニズムが存在することが指摘され,注目を集めている.しかしながら,炎症に関連する生理活性物質の産生源としての気管支平滑筋細胞の役割の全体像,さらにはそのメカニズムに対するDEPの影響に関する知見は未だ不十分なのが現状である.  これまでの我々のヒト肺胞上皮細胞を用いたDEP影響の全体像を把握するための検討では,DEPは多くの遺伝子の発現に影響を与えること,処理時間により異なる遺伝子発現パターンを示すことが分かっている.そこで,気管支平滑筋における炎症関連の生理活性物質の産生に対するDEPの影響を明らかにすることを目的に,ヒト気管支平滑筋細胞を用い,①DEP処理条件の違いによる遺伝子発現の変動を網羅的に解析し,②DEPの処理時間の違いにより発現が変動する炎症関連遺伝子群の分析を行った.
  • 細谷 純一, 伊藤 剛
    原稿種別: 研究速報
    2016 年2016 巻5 号 論文ID: JRJ20160503
    発行日: 2016年
    公開日: 2025/11/06
    研究報告書・技術報告書 フリー
     近年,大気中の微小粒子状物質(PM2.5)が関与する健康影響については,特に心血管系影響が重要であると考えられている.心血管系影響を考える上で,肺胞内へ浸入した粒子の体内動態把握が重要であるが,未だ不明な点は多い.米国心臓協会は,PM2.5の心血管系影響のメカニズムの1つとして,粒子あるいはその可溶性成分が肺胞の上皮細胞を通過し血流内へ移行する可能性を指摘している.  粒子の細胞透過の主な経路としては,細胞間を通過する経路(Paracellular route),細胞内を通過する経路(Transcellular route)が知られている.特にParacellular routeは,隣接した細胞間の密着結合(Tight junction;TJ)に依存しており,TJが異物侵入を防ぐ細胞のバリア機能を司っている.このTJの密集性と結合性については,経上皮電気抵抗値(Trans Epithelial Electric Resistance;TEER)を指標として簡便に測定可能である.  本研究では,PM2.5の心血管系影響解明のための一歩として,その動態解明を目的に,PM2.5の気道上皮細胞透過性への影響について検討した.具体的には,粒子状物質を処置した上皮細胞において,TEERの変化を測定し細胞のバリア機能を評価するとともに,電子顕微鏡によりTJの開口および粒子状物質の局在について観察した.また,TJの主要な構成分子である細胞接着分子の遺伝子発現解析を実施した.
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