JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2017 巻, 10 号
JARI Research Journal 2017年10月号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
研究速報
  • 前田 清隆, 高橋 昌志
    原稿種別: 研究速報
    2017 年2017 巻10 号 論文ID: JRJ20171001
    発行日: 2017年
    公開日: 2025/11/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    電動車両に搭載されるリチウムイオン電池パックには,電池の電流や電圧,温度の監視,演算及び制御などを行うBattery Control Unit(以下,BCUという)が備わっており,仮に異常を検知した場合には,安全性の低下などを避けるために,回路の遮断などを行う.このBCUは,電池の外部に取り付けた回路で異常を検知して作動し,一度安全装置が作動すると,通常は電池が危険な事象に至ることは無い.一方,内部短絡による異常は電池の単セルそのもので生じる事象であることから,例え異常を検知しても,制御できずに内部短絡が継続し続けるため,発煙または発火に至ることも考えられる.近年,内部短絡によるスマートフォンの電池からの発火事故も発生している.  このような内部短絡に対する安全性を評価する標準試験法は強制内部短絡(Forced internal short circuit.以下,FISCという)試験として, IEC 62660-3(自動車用リチウムイオン電池単セル安全要件)に規定されている.FISC試験は単セルを解体して電極体の正極合材と負極合材の間にNi片を入れた後,その部位に圧力を印加することで内部短絡を発生させて安全性を評価する方法である.この試験は,単セルを解体する必要があることから,技術面及び安全面において実施が難しい場合がある.そのため,より容易かつ解体をせずに安全に実施できる代替試験法として全セラミック釘または先端Niチップ付きセラミック釘を用いた方法が提案されている.しかし,セラミック釘を用いた試験では短絡後に釘位置を保持し続けるためラミネート形電池において短絡後に電池が膨張しやすく,FISC試験に対して短絡層数(正極合材と負極合材間のセパレータを貫通した数)が増加する傾向にあるという課題があった.  そこで,先端Niチップ付きセラミック釘刺し試験において,FISC試験より容易に実施でき,かつラミネート形電池において単セルの膨張に影響しない代替試験を考案し,本手法の妥当性を検証した.IEC 62660-3のFISC試験を実施することにより,本手法の妥当性を評価したので報告する.
  • 松田 智行, 安藤 慧佑, 明神 正雄, 今村 大地
    原稿種別: 研究速報
    2017 年2017 巻10 号 論文ID: JRJ20171002
    発行日: 2017年
    公開日: 2025/11/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    一充電の走行距離が300kmを超える車両の開発が進められるなど,電気自動車の開発が世界的に加速している.その背景には,動力源であるリチウムイオン電池(LIB)の性能向上がある.その中で,LIBの課題の一つである寿命(経時的な容量低下および内部抵抗の増大による出力の低下)についても関心が高まっている.  LIBは,充放電を繰り返すことにより劣化(サイクル劣化)するほか,放置することによっても劣化(保存劣化)することから,実車両に搭載されている電池の状態はその使用履歴に依存し,電池寿命を客観的に評価することは困難である.そのため,サイクル劣化,保存劣化を個別に評価する手法が一般的である.国際電気標準会議(IEC)ではLIB単セルのサイクル寿命および保存寿命を評価する手法として,寿命試験法(IEC62660-1)を発行している.IECのサイクル寿命試験法ではFig. 1に示すように,走行時の負荷変動や回生充電を簡易的に矩形波で模擬した出力制御の動的放電プロファイルAと登坂時の負荷を考慮した動的放電プロファイルBの2種類が用いられている.これまでに,我々は車載用LIBを用いて,これらの放電プロファイルが性能変化に及ぼす影響について評価してきた.しかし,IECの放電時負荷と実際の走行時の電池負荷との違いが寿命にどのような影響を及ぼすか明らかになっていない.  本研究では,車載用LIBと同様の正極材料を用いている民生用18650型LIBを2種類用いて,IEC62660-1のサイクル寿命試験条件と実走行を模擬した放電時負荷による試験条件との比較を目的としてサイクル寿命試験を行った.ここでは実走行模擬条件として,排出ガス・燃費試験の認証試験モードであるJC08モード走行時負荷を用いた.それぞれの寿命試験時の電池負荷および劣化傾向について比較したので報告する.
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