JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2018 巻, 7 号
JARI Research Journal 2018年7月号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
研究速報
  • 冨田 幸佳, 森川 多津子
    原稿種別: 研究速報
    2018 年2018 巻7 号 論文ID: JRJ20180701
    発行日: 2018年
    公開日: 2025/11/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
     実環境における自動車走行時の大気汚染物質排出量の把握は,大気環境対策を検討する上で重要である.自動車からの大気汚染物質排出量は,単位走行距離あたりの大気汚染物質排出量である排出原単位に,走行台キロを乗じて算定する.排出原単位は外気温度を25℃に保ったシャシダイナモメータ (C/D) 試験結果から作成されるため,外気温度の変動による排出量の増減を表現するには,外気温度25℃時の排出量を異なる外気温度の排出量に変換する比率 (以下,温度補正係数という) を用いる.この温度補正係数の作成には環境条件を変更したC/D試験が必要となるが,実施は容易ではない.これまでの例として,JCAP (Japan Clean Air Program) およびJATOP (Japan AuTo-Oil Program) では,米国カリフォルニア州の自動車大気汚染物質排出量推計モデルEMFAC7Gで用いられている,米国の走行条件で作成された温度補正係数を,国内の限られた試験結果と比較し確認した上で用いるなどの工夫をしている.  近年,車載式排ガス測定システム (PEMS: Portable Emissions Measurement System) を用いた実路走行時の排出ガス(RDE: Real Driving Emission) 試験が行われ,外気温度や標高などが変動する中で交通状況に合わせて運転した際の排出ガス試験結果が出てきている.2017年9月にRDE規制が欧州に導入されたこと,日本でも2022年にディーゼル乗用車へのRDE規制導入が予定されていることから,今後RDE試験数は増加し試験結果の入手も比較的容易になっていくと考えられる.  本研究では,様々な環境・走行条件を含むRDE試験結果と規定のC/D試験結果から排出原単位を推定し,それらの比から温度補正係数を推定する手法を検討した.検討には,走行時の排出ガス量がエンジン負荷により決定するという考え方に基づいて開発された速度・駆動力排出マップを活用した.  実路走行試験結果を用いて作成した,より妥当な温度補正係数を用いることで,精度の高い自動車排出量算定に繋がると考える.
  • -タバコ煙を曝露した気道上皮細胞の遺伝子発現解析-
    伊藤 剛, 村木 直美, 田村 久美子, 利根川 義男
    原稿種別: 研究速報
    2018 年2018 巻7 号 論文ID: JRJ20180702
    発行日: 2018年
    公開日: 2025/11/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
     これまで自動車排気等の健康影響は主に動物曝露実験により評価されてきたが,最近では培養細胞を用いた評価に対する関心が高まっている.培養細胞を用いた実験は汎用性が高く,研究者が独自の観点で様々な条件で実験を行っており,それら異なる条件の実験結果を同列に比較することはできない.そこで我々は,自動車排気の健康影響評価のための標準的なin vitro評価法の基本骨格の構築を目指している.  自動車排気は呼吸により生体内に取り込まれることから,その影響評価では吸入曝露を反映した気液界面培養条件下での細胞曝露が適している.気液界面培養条件下での細胞への長時間の送気は,細胞を乾燥させ,傷害を与える可能性がある.そこで長時間送気しながら細胞を安定した状態に維持するために,我々は加湿器を導入し,送気の湿度を制御し,細胞を安定した状態で6時間連続曝露可能な細胞曝露システムを構築した.さらに,本細胞曝露システムの有効性を示すには,実際に大気汚染物質を細胞に曝露し,炎症応答を鋭敏に検出できることを確認する必要がある.我々はこれまでに,本細胞曝露システムを用い,大気や自動車排気に含まれ,炎症を誘導することが知られているガス状物質である二酸化窒素(NO2)の細胞曝露実験を実施し,炎症関連遺伝子の発現変動を確認した.一方,粒子状物質の影響評価への有効性の確認は未実施である.そこで本研究では,本細胞曝露システムを用い,燃焼由来の粒子状物質であり,炎症を誘導することが知られているタバコ煙の気道上皮細胞への曝露実験を行い,炎症応答を確認することを目的とした.
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