JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
2020 巻, 6 号
JARI Research Journal 2020年6月号
選択された号の論文の1件中1~1を表示しています
研究速報
  • 堺 温哉, 伊藤 晃佳, 伊藤 剛
    原稿種別: 研究速報
    2020 年 2020 巻 6 号 論文ID: JRJ20200601
    発行日: 2020年
    公開日: 2025/01/14
    研究報告書・技術報告書 フリー
    2020年7月24日から9月6日にかけて開催される予定だった東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 (以後「東京2020大会」という) は,感染が世界的に拡大した新型コロナウイルスにより開催が1年延期となり,2021年7月23日から9月5日に変更された.近年行われたオリンピック・パラリンピック大会では,大会運営および大気環境対策のために,大規模な交通規制が実施されている.また,オリンピック・パラリンピック大会期間中の交通規制による大気質の改善と健康アウトカムに関連する調査は,アトランタ大会以降,特に 2008 年の北京大会では数多く報告され,呼吸器疾患,循環器疾患,周産期など多岐にわたる健康アウトカムの調査が実施された.東京2020大会においても環境省や東京都は,環境に配慮した大会開催に向けて,様々な取り組みを計画している.東京2020大会開催期間中の自動車規制・施策による大気環境への影響評価は,今後の自動車規制対策を論議する上で重要な機会である.2018年度より我々は,東京2020大会時の自動車規制・施策による大気環境への影響,ならびに大気環境の変化にともなう健康への影響を評価する研究を実施している.その結果,自動車排出ガスの指標として用いられるNOxは,東京マラソンのための短期的な自動車交通規制によって,道路近傍の大気中濃度がわずかに低下することを推察した.  東京2020大会組織委員会ならびに東京都は,大会期間中の交通マネジメントとして,「一般交通では,都心部で大会前の交通量の30%減,東京圏の広域については10%減」「首都高速道路については,交通量を最大30%減とすることで,休日並みの良好な交通状況」を目指すことを公表している.そこで我々は,東京2020大会における交通量抑制によって自動車交通量が休日と同程度まで減少した場合に、道路近傍,および住宅地域における大気中NOx濃度がどの程度変化するのかを推測するため,平日と日曜日の濃度値を基に推測を試みた.本論文ではその推計結果について報告する.
feedback
Top