レベル3以上の自動運転車の普及を促進する上で,道路利用者(周辺交通主体)が自動運転を受容するか否かが重要な課題となっている.一般道路市街地を対象にして,自動運転車と遭遇した際の歩行者の受容性を調査した研究は多くみられ,自動運転に対する周辺交通主体の知識や外観表示(外向けHMI)の影響が検討されている.一方,私用車の自動運転が実用化されつつある高速道路を想定して,周辺ドライバの受容性を調査した研究は殆どみられない.本研究では,ドライバ18名を対象にした運転シミュレータ(DS)実験を行い,片側2車線の高速道路を,レベル3相当の自動運転車に手動運転で追従している最中に渋滞が発生する状況を対象にして,周辺ドライバの安心感や運転行動に影響を及ぼす要因を調査した.本研究で対象とした外部表示は,自動運転中を伝達するマーカーと自動運転車であることを知らせるステッカーであった.DS実験の結果,有意差は見られないものの,自動運転に対する知識をもたない周辺ドライバは,マーカー,ステッカー,無表示の順に不安感が高く,知識を有するドライバでは逆の結果が示された.また,周辺ドライバの自動運転車に対する不安感の平均値は許容限界(不安を感じ始める限界)を超えなかった.さらに,高速道路走行中に渋滞が発生し,30km/hで定常走行する自動運転車に追従中のドライバの運転行動に,事前知識の有無や外部表示の種類の影響はみられなかった.以上の結果から,高速道路における渋滞場面では,外部表示により不安感の増大や運転行動に負の影響が生じる可能性は大きくないと考えられる.また,周辺ドライバの自動運転車に対する知識により,外部表示に対する印象が変化すると推察される.
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