本研究の目的は、多肢選択式英語リスニングテストの問題文と選択肢の提示時期が項目困難度と項目識別力に与える影響を検証することである。目的を達成するため、印刷された問題文と選択肢の提示時期のみが異なる3種類のリスニングテストを作成した。3種類とは、本文を放送する前に受験者に(1)問題文と選択肢の両方を提示する形式,(2)選択肢のみを提示する形式、(3)問題文のみを提示する形式である。
実験の結果、印刷された問題文と選択肢の提示時期は項目困難度に影響を与えることが示された。具体的には、形式(2)の平均点が形式(1)および(3)よりも有意に低くなった。これは、形式(2)の9項目の困難度が形式(1)および(3)のそれよりも有意に高くなったからだと考えられる。また、用意した3形式によって項目識別力に有意な差はなかった。
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