本稿ではマルチレベルモデルの観点から,項目反応理論モデルを捉え直し,1パラメタロジスティック項目反応理論モデルの定式化を行った。項目反応のもつ交差分類構造から,潜在特性値および項目パラメタを固定効果または変量効果として扱うのかを明確に区別した4種類のモデルのほか,発展的なモデルを紹介した。それぞれのモデルに対する尤度に基づく推定法との対応関係を整理した。また,これらのモデルに対するベイズ推定に伴うモデル上の仮定を明確化した。加えて,マルチレベルモデルのための分析ソフトウェアにおけるモデルと推定法の対応を概観した。最後に,個々の研究目的やデータ収集デザイン等を踏まえた,これらモデルと対応する推定法の選択について議論を行った。
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