シミュレーション&ゲーミング
Online ISSN : 2434-0472
Print ISSN : 1345-1499
26 巻 , 1 号
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一般論文
査読論文
  • 砂口 洋毅, 白井 宏明, 佐藤 亮
    2017 年 26 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2017/11/30
    公開日: 2019/09/12
    ジャーナル フリー

    相互に関連する複数の構成要素からなる事象を取り扱う方法論の一つとして,ゲーミングを利用する手法が提案されている.その一環として,経営戦略や事業戦略といった,企業活動に関わる分野へのゲーミング適用についての研究が進められている.企業を取り巻く市場環境や競合他社動向は時間の経過とともに変化する.そのために,時間変動を考慮したすべての要素の組み合わせは膨大な数にのぼり,それらの中から最適な組み合わせを抽出し,戦略の意味づけを行う作業は非常に困難である.本研究では,ビジネス・プラットフォームを対象として,同一モデル上でゲーミングとコンピュータ・シミュレーションを実行する手法を用いた.まず,ゲーミングによって意味のある戦略シナリオを抽出した.次に,抽出した戦略シナリオに沿ってコンピュータ・シミュレーションを実行することによって,戦略シナリオの精度を高めた.事業戦略設計におけるゲーミングとコンピュータ・シミュレーション併用手法の可能性を報告する.

  • 鈴木 研悟
    2017 年 26 巻 1 号 p. 9-19
    発行日: 2017/11/30
    公開日: 2019/09/12
    ジャーナル フリー

    持続可能なエネルギーシステムの構築には,供給安定性,経済性,環境性,安全性といった社会的要請を念頭に置きつつ,利害関係者の価値の対立を乗り越えて合意を形成してゆく必要がある.そうした分野融合的なテーマを大学工学部で教える方法論については模索が続いている段階である.本稿は筆者が実施してきたエネルギーシステム初学者向けのゲーミングを題材とし,その設計過程と教育効果を報告する.本稿ではゲームデザインを学習に必要な経験を生み出すための仕組みづくりとして捉え,ゲームのルールが経験を生み出す仕組みを図式化したうえで,ルールのデザイン過程を報告した.ゲーミング実施後のレポート課題を分析すると,技術選択を通じて社会からの要請に応える視点や価値の対立を乗り越えて合意形成する能力・態度を学ぶという目標はおおむね達成されており,エネルギーシステム教育におけるゲーミングの有用性が示唆された.

  • 横山 実紀, 大沼 進, 広瀬 幸雄
    2017 年 26 巻 1 号 p. 21-32
    発行日: 2017/11/30
    公開日: 2019/09/12
    ジャーナル フリー

    本研究は指定廃棄物の長期管理施設の問題を模した指定廃棄物処分立地ゲーム(広瀬 2015)を基に,無知のヴェールがNIMBY問題の合意形成を促進する可能性を検討した.当該ゲームでは,利害を知る当事者(“市長”)が議論する段階と自分の利害関係について無知だが潜在的に当事者となり得る状況(無知のヴェール)下にあるプレーヤー(“市民”)が議論する段階があり,最終決定は後者に委ねられる.この状況で最終決定者は公正な決定を行えるか,決定に関与できない利害当事者が受容できるかを検討した.研究1では不公正な決定が8グループ中3つでみられ,利害当事者の受容も高まらなかった.研究2では,全員が利害当事者となって議論し,それでは合意に至らないという経験を経てから同様の段階的意思決定を行ったところ,不公正な決定はみられず,利害当事者の受容の割合が増えた.以上より,単に無知のヴェールによる決定だけでは不十分で,利害当事者だけによる議論では合意形成が困難であるという経験の必要性が示唆された.

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