本研究では信頼性と妥当性が確立されているCounseling Center Assessment of Psychological Symptoms日本語版(CCAPS-Japanese)を用いて、ウェブ上で学生が精神的健康状態を回答できる「CCAPSウェブ回答システム(CCAPS-Internet based Quick Assessment System: CCAPS-iQAS)」を開発した。本システムは回答学生への結果の即時フィードバック機能と、結果の推移を確認できるプロフィールレポートの作成機能を搭載した点に特長があった。これにより、回答学生は自身の精神的健康状態への理解を深めることができ、必要に応じた援助要請行動の促進につながると考えられる。また、支援者にとっては要支援学生の早期発見、支援体制の構築と、カウンセリング効果の可視化が期待できる。定期健康診断と学生相談での機能実証を行った結果、システムの安定性と実用性が確認された。今後、本システムを複数校で展開することで、大規模データベースが作成でき、学生の精神的健康の実態把握や今後のアクションプランの策定に貢献できる。