日本文化人類学会研究大会発表要旨集
Online ISSN : 2189-7964
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日本文化人類学会第51回研究大会
選択された号の論文の193件中151~193を表示しています
E会場(F201) 第二日目 5月28日(日)
個人発表
分科会E_2 TowardsFurtherDiscussionontheWork-LifeBalance Concept in Anthropology: An Exploratory Review to Lay the Groundwork for Research on Japan
F会場(F202) 第二日目 5月28日(日)
個人発表
分科会F_2 スペイン/カタルーニャの民族誌試論ーネオリベラリズムという視点から
  • ネオリベラリズムという視点から
    田沼 幸子, 岩瀬 裕子, 池田 朋洋, 深澤 晴奈
    p. F16-
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    会議録・要旨集 フリー
     近年、各地で広がるネオリベラリズムによる公共財の私有化、社会保障の削減によって、多くの人が周縁化されていると人類学者は報告してきた。しかし当事者は事態をそのように捉えているとは限らない。外からはネオリベラリズム的再編成とその帰結として捉えられる状況を、スペイン/カタルーニャに生きる人々はどのように意味付けているか。民族誌的事例の検討を通じて、ネオリベラリズムの人類学的研究に新たな貢献を行う。
  • 移民受け入れ国となったスペインにおける政策決定軸
    深澤 晴奈
    p. F17-
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    20 世紀の大部分をつうじて移民送り出し国であったスペインは、1986 年の EC 加盟とその後の 1990 年代の経済成長を経て、2000 年代にはヨーロッパ有数の移民受け入れ国へと変貌した。本報告では、スペインが 2000 年代の 10 年間のうちに瞬く間に大規模な移民受け入れ国となっていくなかで、どのように移民政策が決定されてきたのか、その際の決定軸はいかなるものなのかについて、歴史的背景を視野に入れつつ検討したい。
  • 経済危機後のスペインにおける社会運動の現場から
    池田 朋洋
    p. F18-
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    経済危機後のスペインにおいて住宅ローンの支払いに問題を抱えた債務者たちは、ネオリベラルな言説の中で「自己責任」の論理に囲い込まれがちである。しかし、この問題の解決を目指す社会運動団体「住宅ローン被害者の会」において、債務者たちは自己責任の論理を乗り越え、自らの生に向き合い、また互いの生を共有する。本発表はその先に展開される「債務者」という主体を越えた人々の協働のあり方を明らかにするものである。
  • スペイン・カタルーニャ州における人間の塔を事例として
    岩瀬 裕子
    p. F19-
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    ハーヴェイ(2007)が言うように、ネオリベラリズムはその内部と外部において、多くの対抗運動を生みだしてきた。本報告では、哲学者のアントニオ・ネグリとマイケル・ハート(2012)の「コモン=共」を用いて、ネオリベラリズムによる「コモン」の搾取に対して、「共生セクター」(内橋 2009)によって「コモン」を維持している人びとの対抗運動を報告することを目的とする。
  • バルセロナ在住キューバ人の自己認識の語り
    田沼 幸子
    p. F20-
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    スペインの「移民問題」を語るうえでキューバ人が話題に上ることはほとんどない。旧植民地の中では数少ない、短期滞在でも査証が必要な国であるにも関わらず、在西後の順応は早いと自他ともに認識されている。この背景はどこにあり、どう意味付けられているのか。キューバ本国及びバルセロナにおける参与観察と、バルセロナおよび近郊在住のキューバ人たちへのインタビューから明らかにする。
G会場(C201) 第二日目 5月28日(日)
個人発表
分科会G_2 モノと演じる・モノと奏でる―マテリアリティの人類学と芸能研究の交差点
  • マテリアリティの人類学と芸能研究の交差点
    吉田 ゆか子
    p. G15-
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    1980年代以降の人類学は、モノが人間に使われたり、意味や価値を付与される側面だけでなく、モノの側からの人間への働きかけや、モノと人の相互的作用によって出来事が生成するプロセスに着目している。また、そこに物質性がいかに関わるのかという問いも重要性を帯びた。こうした「マテリアリティの人類学」の関心を芸能研究に差し入れ、新たな芸能研究の視座を探求することが本分科会の狙いである。
  • バリの歌舞劇アルジャにおける身体・声・モノ
    増野 亜子
    p. G16-
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    本発表はバリ島の歌舞劇アルジャarjaにおける身体・声・モノ、特に冠(グルンガンgelungan)の相互作用に着目する。冠はアルジャの登場人物の性質に呼応する身体を視覚的に規定する指標、役者の心身の変容を可能にする装置でもあり、役者の職能性を示す資源としても扱われる。そのマテリアリティは役者の身体と声に直接・間接に作用し、アルジャの伝承と実践を外側から枠づける効力を持つ。
  • 日本のバリ芸能グループを事例に
    吉田 ゆか子
    p. G17-
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、バリのガムラン音楽が日本において日本人によって、学ばれ、演奏され楽しまれる現象について、楽器というモノに着目しながら考察する。特定の物理的特徴をもち、バリの特定の文脈に置かれていた楽器が、日本という新たな土地の物質文化やモノの配置(e.g.住環境)にどのように影響され、また人々にどのように働きかけるのか。本発表では、楽器を巡るバリの信仰、楽器の物質性、楽器のもつ履歴、の三つの面から考察する。
  • パフォーマンスを取り巻くモノの相互作用を中心に
    辻本 香子
    p. G18-
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    本発表は、香港の若者たちが担う中国龍舞を対象に、龍の体や楽器や衣装と装置、そしてそれらを操る舞い手・奏者の身体が相互に関わりながパフォーマンスをつくりあげる過程を、それぞれの要素の相互作用に着目しながら検討する。架空の生き物である龍を生きているかのように見せる演技がどのようにして成り立っているのか、龍の周りで駆使されるさまざまなモノと、モノとともに動くヒトの身体との関係について明らかにする。
  • ソロモン諸島アレアレの竹製パンパイプスをめぐって交差する複数の物質性
    佐本 英規
    p. G19-
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    2013年10月、ソロモン諸島アレアレの熱帯雨林の一角に、即席のレコーディング・スタジオが出現し、竹製パンパイプス演奏集団のアルバムのレコーディングが行われた。本発表ではこの出来事を、音楽のあり方に関する複数の見解が相互に作用する状況として分析し、レコーディングに居合わせた多様な人々が、互いにとっての音楽のあり方をいかに相対化し、自らにとっての音楽のあり方をどのように拡張しているかについて考察する。
H会場(C202) 第二日目 5月28日(日)
個人発表
分科会H_2 施設間移行と生存経路多様化の基礎的研究―児童福祉施設・通所授産施設・(野宿者)自立支援施設の連携研究から見えてきたこと
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