禁煙科学
Online ISSN : 1883-3926
vol.10 巻 , 03 号
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  • 守 正浩, H Komoda
    2016 年 vol.10 巻 03 号 p. 1-8
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/06/12
    ジャーナル オープンアクセス
    要 旨
    背景:当院では2011年の禁煙外来開設以降、2014年6月までの期間に181例のニコチン依存症患者が受診し、39例が精神疾 患を伴っていた。そのうち、2011年1月~2012年9月に受診した18例は禁煙治療のための標準手順書に則った12週間の禁煙 プログラムを用いた禁煙治療を受けており、禁煙達成率は16.7%と低い結果だった。今回我々は、禁煙達成率を改善する ため2012年10月~2014年6月に受診した21例についてかかりつけ精神科医と連携した禁煙プログラムを試み、その有効性 について検討を行ったので報告する。
    方法:2011年1月~2014年6月の期間中に当院禁煙外来を受診し、精神疾患を伴った患者39例を対象とした。対象を2012年 9月以前の18例(A群:精神科医との連携なし)と2012年10月以降の21例(B群:精神科医との連携あり)の2群に分け、喫 煙状況やプログラムの達成率、禁煙達成率に関して検討を行った。精神科医との連携は、初診時に禁煙治療の可否につい てかかりつけ精神科医へ問い合わせを行い治療時の注意点について助言を受けることと、5回の通院加療中に複数回かか りつけ精神科医への通院を依頼し、その都度患者の精神状態の確認や精神疾患に対する薬剤の投与調整を検討してもらう という方法を用いた。
    結果:B群では3例が初診時かかりつけ精神科医に問い合わせを行った時点で、患者の病状が不安定であるという理由で禁 煙治療延期となった。A群の禁煙成功率16.7%に対してB群の禁煙成功率は66.1%と向上していた。
    考察:精神疾患を伴うニコチン依存症患者に対する禁煙治療時には、かかりつけ精神科医との密な連携が禁煙成功率の向 上に有効であることが示された。また、禁煙外来と精神科外来を交互に受診することで、禁煙補助薬の副作用発現や禁煙 に伴う精神疾患の増悪を早期に発見し対処できる機会も増えるため、禁煙治療の安全性向上にも寄与できるものと考えら れた。
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