禁煙科学
Online ISSN : 1883-3926
vol.12 巻, 10 号
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  • 東山 明子, 橋本 泰裕, 髙橋 裕子
    2018 年 vol.12 巻 10 号 p. 4-11
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/06/02
    ジャーナル オープンアクセス
    要 旨
    目的:本研究では、喫煙経験者に対し、1 日の生活の中でたばこを「吸いたくなる」「最もおいしい」「最もやめにくい」 時間を尋ねHeaviness of Smoking Index (HSI) 指数との関係を検討することで、喫煙行動に影響を与えるイベントを推 定し、禁煙支援の示唆を得ることを目的とした。
    方法:インターネット調査を通し、喫煙経験のある成人873 名に対し、「起床後」、「朝食後」、「通勤・通学中」、「昼食 後」、「仕事の休憩時」、「夕食後」、「自宅でくつろいでいる時」、「入浴後」、「就寝前」、「その他」について、たばこを「吸 いたくなる」かと、このイベントの中でたばこが「最もおいしい」時間と「最もやめにくい」時間を尋ねた。また、フェ イスシートへの回答からHSI 指数を算出した。
    結果:喫煙を誘発するイベントとして、「夕食後」、「起床後」、「自宅でくつろいでいる時」、「仕事の休憩時」、「昼食後」、 「朝食後」が抽出された。HSI 得点の高い高喫煙者は低喫煙者と比べ、「起床後」にたばこが「おいしく、やめにくい」と 答える割合が高かった。たばこが「最もおいしい」時間と「最もやめにくい」時間の比較では「起床後」や「就寝前」 が、たばこが「おいしい」というより「やめにくい」時間であった。”食後”は習慣として喫煙を行っている可能性が示 唆された。
    結論: 1 日の喫煙本数が10 本以下の喫煙者は、イベントと関係なく喫煙を行っているが、本数が増えるにつれ特定のイ ベント(特に起床時)に喫煙を行う傾向が見られ、31 本以上の喫煙者はイベントと関係なく1 日中喫煙を行うというモデル が見出された。
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