禁煙科学
Online ISSN : 1883-3926
vol.6 巻 , 03 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • ~喫煙関連疾患死亡リストの構築~
    森岡 聖次, 奥田 恭久
    2012 年 vol.6 巻 03 号 p. 1-5
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    要 旨
    背景:多くの喫煙者は禁煙挑戦しようと考えているが、決断に到るきっかけがむずかしい。そこで、喫煙者への禁煙導入を促すため、著名人の死亡記事などから情報を収集し、データベースを構築し、講演会、禁煙外来での患者指導などに用いた。
    方法:データ源は2003年4月以降の全国紙のほか、人生のセイムスケール等のインタネット情報を用いて収集した。死亡者が生前喫煙者であったかどうかは本人の記述や喫煙している写真を判断根拠とした。喫煙関連疾患は、加濃らの提唱した260以上の疾病リストを照合した。生没年は百科事典のほか、ウィキペディア等を参照した。啓発方法は防煙教育の場や禁煙外来等で啓発対象者の年齢、背景を考慮して、作成したリストの中から代表的な俳優(女優)、歌手、作家、学者、スポーツ選手等を紹介した。
    結果:2010年7月現在で、516人(最古生年1804→最新生年1971:うち女性35人)を収集(うち日本人・東洋系は81%)した。このうち54人は現段階で死因不明であった。残る462人の職業は、作家32%、俳優(女優)17%、歌手12%が上位であった。死亡年齢は最年少31歳から最高100歳までで、この516人とは別に、喫煙歴不明の181人が喫煙関連疾患死亡者として収集されたが、現時点では生前の喫煙歴は確認されていない。死因別では、男女ともがん(男44%、女54%)、循環器疾患(男29%、女26%)、呼吸器疾患(男女とも9%)が多かった。
    結論:著名人の死亡は話題性も高く、たばこ病を身近なものとして認識させ、禁煙挑戦を促進するうえで有用であると示唆された。新聞報道などでは、可能な限り死因と喫煙歴を掲載することが期待された。また禁煙効果の啓発のためには、禁煙した著名人自身が禁煙啓発する必要があると考えられた。
  • 長嶺 直美, 依田 千恵美, 橋本 美和子, 鉢嶺 真由美, 永吉 奈央子, 徳山 清之
    2012 年 vol.6 巻 03 号 p. 6-8
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    【はじめに】
    禁煙に際して生活の質(QOL)が改善するか否かを検証することは喫煙者の禁煙動機付けに重要である。今回、禁煙外来受診患者を対象に健康関連QOLの測定尺度であるSF36を用いて禁煙前後のQOLの評価を行ったので報告する。
  • 新城 尚美, 宮城 さちえ, 永吉 奈央子, 徳山 清之
    2012 年 vol.6 巻 03 号 p. 9-11
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    【背景と目的】
     維持透析患者では心血管病や感染症のリスクが高いことからも、禁煙支援の役割は大きい。しかし通常の禁煙外来で配布されている禁煙の資料には透析患者に使用するには不適切な事項も含まれていて維持透析者にとって適切で、より受診しやすい禁煙外来が必要である。
     そこで当院では、血液浄化センターにて禁煙支援システムを構築し、透析患者向けの禁煙資料を作成したので報告した。また当院透析患者の喫煙状況調査や禁煙支援実績もあわせ報告した。
    【考 察】
     喫煙状況のデータベース化、血液浄化センター内の禁煙外来の設置および透析患者問診票と禁煙支援パンフレットの作成、透析来訪時の状況確認および報告システムの構築について報告した。これらのシステム構築により、透析患者の喫煙状況を迅速に把握することができるようになり、各スタッフから患者の情報が禁煙支援担当者に集まり、担当医師との連携もスムーズに行えるようになったことは大きなメリットと考える(図8)。透析患者にとってより身近な存在である透析スタッフが、これまで以上に積極的に禁煙に介入する事で、透析患者にとっての禁煙のきっかけ作りにもつながったと思われる。
    【結 語】
     当院の外来血液浄化センターにおける禁煙支援システムの構築と、当院透析患者の喫煙状況調査、禁煙支援実績について報告した。これらの取り組みによって、維持透析患者にとってより受診しやすい禁煙外来となっていると考える。
  • 海老原 泰代
    2012 年 vol.6 巻 03 号 p. 12
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
     本論文は、電子メールを使用して食事アドバイスをすることが体重コントロールに効果があるかどうかを検証したものである。直接的に禁煙に関連した研究ではないが、体重コントロールは禁煙後の体重増加を防止するためにも重要であることから紹介する。
     インターネット禁煙マラソンでは、メールを使用して禁煙支援が成功している事例が多くある。それをヒントに筆者は非対面式のプログラムを作成した。支援期間は3ヶ月とし、食事アドバイスは電子メールに添付した食事写真を用いて管理栄養士が判断してパソコンまたは携帯メールで返答し、安全な減量についての情報の提供には郵送される冊子とダイレクトメールによる情報提供を用い、参加者同士の相互支援にはメーリングリストを用いた。
     対象は腹囲基準(男性85cm、女性90cm)以上、またはBMI25以上の39名(男性22名、女性17名)であり、対象者を性別・年齢階級で層化後、無作為に介入群と対照群の2群にわけて総摂取エネルギー量および体重の変化を検討している。3ヶ月の支援期間終了後、介入群男性では、総摂取エネルギー量が平均で427kcal(p<0.01)減少し、介 入群女性では総摂取エネルギー量が平均で747kcal(p<0.01)減少した。介入群の平均体重は男性3.4kg、女性1.3kg減少したが対照群との有意差は認められなかった。介入群女性では空腹時血糖が4.5mg/dl(p<0.05)減少したとのことであった。
     本論文では以上のように、今回作成した3ヶ月間の電子メールを用いた食事改善支援プログラムで男性女性ともに介入群で総摂取エネルギー量の有意な減少が認められたことが述べられている。しかしながら解析人数が各群10名と少ないことや、血圧、血清脂質および空腹時血糖で受診勧奨域にある者は対象としなかったなど健常者を対象とした介入であったことが研究限界として論文中に示されている。今後はさらに有用なプログラムの開発と対象の範囲を広げての検討が期待される。
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