禁煙科学
Online ISSN : 1883-3926
vol.6 巻 , 06 号
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  • ~コンジョイント分析を用いた解析~
    牟田 広実, 後藤 励, 高橋 裕子
    2012 年 vol.6 巻 06 号 p. 1-9
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/09/29
    ジャーナル オープンアクセス
    要 旨
    背景:本研究の目的は、禁煙治療の自己負担額と禁煙意思の関係について検討すること。
    方法:対象は、福岡県A町に在住する20歳以上80歳未満の住民。一次調査として、性別、年代を層別無作為化した5,000人に対して、郵送法にて喫煙状況および二次調査への協力意思を調査した。二次調査では、回答者の背景とともに、タバコの価格、禁煙治療の自己負担額、費用助成の方法を、ある値や方法と仮定して複数提示し、それぞれについて禁煙してみようと思うかを尋ねる質問(コンジョイント分析)を行った。
    結果:一次調査には1,082人(22%)より回答があり、そのうち現在喫煙者で二次調査の協力意思があった103人に対し、二次調査票を送付。71人(二次調査票送付数の69%)より回答を得た。回答者の平均年齢は53歳、男性が82%を占めた。どんな条件でも禁煙するとした回答者の割合はニコチン依存度が中程度であるものが最も少なかった。一方、どんな条件でも禁煙しないとした回答者の割合はニコチン依存度が低いものが最も少なかった。タバコの価格を400円、費用助成を現物給付とした場合に、禁煙治療の自己負担額を20,000円,10,000円,5,000円,無料と軽減させていったところ、禁煙希望率は緩やかに上昇した(32.8%→43.1%→48.3%→53.4%)。一方、タバコの価格を1,000円とした場合には、禁煙治療の自己負担額が20,000円であっても禁煙希望率は59.1%であり、タバコの価格が400円のままで治療費の自己負担額を無料とした時よりも高くなっていた。禁煙の意思決定に対する各属性の重要度全体を100としたとき、タバコの価格は48であるのに対し、禁煙治療費用の総額は39であった。
    結論:禁煙治療に対する費用助成は禁煙意思を高めるものとしての効果は限定的であると考えられた。
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