禁煙科学
Online ISSN : 1883-3926
vol.8 巻 , 08 号
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  • 川崎 詔子, 高橋 裕子
    2014 年 vol.8 巻 08 号 p. 1-7
    発行日: 2014年
    公開日: 2021/07/23
    ジャーナル オープンアクセス
    要 旨
    目的:
    大学入学時点での喫煙経験の有無が喫煙防止教育後の喫煙状況にもたらす影響について検討した。
    対象および方法:
    2007年4月の新入学者の内、課外活動団体に属する学生220人に対し、入学9ヶ月後の2008年1月に参加型喫煙防止教育を 実施した。参加した学生群(以後介入群)と参加しなかった学生群(以後対照対照群)の2群を、2010年4月(介入後27ヶ 月)まで追跡し、2群の喫煙状況について入学時点での喫煙経験の有無別に比較した。なお介入群には講演と学生主体の グループワークを中心とした参加型喫煙防止教育を、対照群には学内の一般学生が最もよく利用する学内のスペースで、 喫煙防止教育のビデオを自由に見る事が出来る状態で放映し、閲覧の機会を設けた。 定期健康診断時に実施している自己記名式では喫煙状況実態調査に基づいて入学時点での喫煙経験の有無別に介入群と 対照群の喫煙実態、意識、傾向等を比較した。また介入群には、参加型喫煙防止教育前後に喫煙に関する自己記名式喫煙 状況実態調査(一部定期健診時とは質問項目が異なる)を実施した。
    結果:
    4年生進級時(教育27ヶ月後)までの追跡率は、介入群で99.5%(219名、18.1±0.4歳)、対照群で75.3%(1053名、 18.3±1.2歳)であった。男女の比率はどちらも概ね2対1であった。入学時点で喫煙経験がなかった学生のなかで、4年進 級時に喫煙していた学生は、介入群が9.4%であり、対照群の17.0%に比べ有意に低かった。しかし、入学時点で喫煙経験 があった学生では、介入群の喫煙率はいったん2年生進級時(教育3ヶ月後)に有意に減少したものの、その後すぐに増加 し、4年生進級時の喫煙状態には対照群との差はなかった。
    結論:
    喫煙防止教育は、喫煙経験のない学生には有効であるが、既に喫煙を開始している学生には有効とは言えないことが示 唆された。入学時点で喫煙を経験している学生及び喫煙している学生に対しては、禁煙サポート体制の強化と環境整備が 必要であると共に、喫煙防止教育を幼少期から繰り返し実施していくことで入学前に喫煙経験をさせないことの重要性が 示唆された。
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