禁煙科学
Online ISSN : 1883-3926
vol.9 巻, 01 号
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  • 小見山 麻紀, 和田 啓道, 浦 修一, 山陰 一, 浅原 哲子, 島津 章, 小山 弘, 河野 公一, 高橋 裕子, 長谷川 浩二
    2015 年 vol.9 巻 01 号 p. 1-4
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/06/12
    ジャーナル オープンアクセス
    要 旨
     禁煙後に体重増加が認められることが知られており、耐糖能の悪化にもつながりうる。ニコチン代替療法と言った禁煙 治療は禁煙後体重増加を最小化するのに有用だが、治療中でさえも著しい体重増加が起こる。そこで、禁煙後体重増加に 関わる因子を検討した。対象は当院禁煙外来にて禁煙に成功した患者186人(男性132人、女性54人)である。
     禁煙治療開始から3か月後のBMI変化率に対する回帰分析を性別調整して行った。更に、禁煙後BMI上昇を決定する因子 を検討するために多変量解析を施行した。結果、平均BMIは初診時23.5±3.6 kg/m2に対して、初診から3か月後(禁煙 後)23.9±3.8 kg/m2と有意に増加した(p<0.0001)。BMI増加量についてはニコチンパッチ群とバレニクリン治療群で有 意な差はなかった。初診から3か月後のBMI増加率と有意に相関があったのは、TG (βa=0.260, p=0.0006), HDL-C (βa =-0.168, p=0.0386)、1日の喫煙本数 (βa=0.154, p=0.0385)、FTND score(βa=0.203, p=0.006)であった。 多変量解析の結果、TGとFTND scoreが禁煙後のBMI増加を決定する初診時項目であり、FTND scoreが最も強い決定因子で あった。
     本研究により、FTND scoreの高い喫煙者は、禁煙後に体重増加しやすいことが示された。したがって、ニコチン依存度 の高い喫煙者は禁煙外来において体重増加に対する介入を要するかもしれない。
  • 髙田 耕平
    2015 年 vol.9 巻 01 号 p. 5-6
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/06/12
    ジャーナル オープンアクセス
    【背 景】
     喫煙が冠動脈疾患をはじめとした動脈硬化性疾患のリ スク因子であることは広く知られている。また禁煙によ りそのリスクが著しく低下することも分かっており、磯 らの報告によると、禁煙群では禁煙1年以内の冠動脈疾患 による死亡率が、喫煙継続群の0.33倍と著明に低下して いた。一方で喫煙による冠動脈疾患の罹患および死亡リ スク上昇、および禁煙によるリスク低下に関する詳しい メカニズムは解明されていない。
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