禁煙科学
Online ISSN : 1883-3926
vol.9 巻 , 12 号
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  • ―精神科職員に対する質問紙調査の因子分析からー
    志野 泰子, 高橋 裕子
    2015 年 vol.9 巻 12 号 p. 1-9
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/06/12
    ジャーナル オープンアクセス
    要 旨
    目的:精神科における禁煙支援を展開するために、医療従事者等の職員は、喫煙患者に対して禁煙の意思決定を導く必要 がある。本研究の目的は、禁煙の必要性の理解と禁煙支援力の向上のため、禁煙支援への意識と知識及び職場の支援環境 も含めた質問紙調査をもとに禁煙支援に必要な項目について、信頼性と妥当性を検討することである。
    方法:調査項目は、文献検討と研究指導者との協議により作成し、予備調査後、修正した。調査対象はA県の精神科病院 に勤務する精神科職員であり、調査方法は郵送又は留め置きによる自記式質問紙調査である。倫理的配慮は文書で説明 し、調査票の回収をもって同意を得たものとした。研究計画は所属大学倫理審査委員会の承認を得た。
    結果:調査票の配布数は1,390、回収数1,116(80.3%)うち有効回答928(66.8%)であった。項目分析の結果どの因子にも0.4 以上の負荷量を示さない3項目を削除し、12項目に探索的および確認的因子分析において3因子の最適群を得た。因子は 「喫煙のリスク」「禁煙継続時の情報」「禁煙支援の意識」と命名された。クロンバックα係数は尺度全体で0.820であ り、各因子との内的整合性が確認された。関連概念を測定する3因子間の相関係数は0.6~0.7であり1%水準の有意差がみ られ、基準関連妥当性が確認された。共分散構造分析による各項目と潜在因子には適合度がみられた。喫煙のリスクと禁 煙継続時の情報に関する抽出因子と禁煙支援の意識、研修受講、病院内禁煙検討会議の各独立変数と職種との交互作用を 分散分析した検定では交互作用が有意であった。
    考察:項目の信頼性について内的整合性は高く信頼性が確認された。3つの因子との間に有意な正の相関がみられたこと から、妥当性が確認された。探索的因子分析と確認的因子分析によって因子妥当性が確認された。また、 研修受講、病 院内禁煙検討会議が職員への情報に影響することが確認された。
    結語:結果より、本項目は精神科において職員が禁煙支援を行う項目として一定の信頼性、妥当性を有していることが確 認された。
  • ―禁煙支援評価項目尺度の開発と有効性の検証ー
    志野 泰子, 高橋 裕子
    2015 年 vol.9 巻 12 号 p. 10-20
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/06/12
    ジャーナル オープンアクセス
    要 旨
    目的:精神科の患者の禁煙を推進していくために、医療従事者等による禁煙支援の実施満足度が向上することを目的に禁 煙支援評価項目尺度を開発し、モデル病院での実施結果をもとに、その有効性を検証した.
    方法:開発した禁煙支援評価項目尺度については、医療従事者等の禁煙支援行動の強化を図るために医療従事者によるセ ルフモニタリング、弁別、研究者による評価のフィードバックの内容で構成した。ランダム化比較デザインのもとベース ライン期、介入期の4週間からなる実験計画を用いた。禁煙支援行動の頻度、行動尺度評価、検査データの変化、禁煙支 援評価項目尺度の満足度について介入群と対照群の群間比較を行った。1クール4週間の合計2クールの8週間からなる実施 とした。参加者は介入群10名、対照群11名であった。両群とも各期に自己評価を求め、アウトカム指標としたデータを収 集した。
    結果:介入群において、介入により医療従事者の禁煙支援行動の頻度が有意に増加した。また、禁煙支援評価項目尺度の 満足度も有意に増加した.
    結論:禁煙支援評価項目尺度は、医療従事者の禁煙支援の頻度を増加させる上で有効であり、禁煙行動尺度も有効であっ た。今後、その効果を維持させるための仕組みを評価に組み入れる必要性が示唆された。
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